2021 Fiscal Year Research-status Report
Next Generation Fusion Reactor Design: Existence and Symmetry of Magnetofluidostatic Equilibria in Bounded Domains
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21K13851
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
佐藤 直木 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 助教 (60872893)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | Quasisymmetry / Magnetohydrodynamics / Stellarator / Hamiltonian Mechanics / Nambu Mechanics / Statistical Mechanics / Self-Organization / Topological Constraint |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、ユークリッド空間の連続対称性を持たない有界領域における、理想電磁流体方程式の平衡解の存在条件を明らかにすることである。本課題に対して、2021年度では下記研究成果を上げた: 1.次世代核融合炉の設計において炉形の実現可否は炉内プラズマ支配方程式(理想電磁流体方程式)の平衡解の存在有無により決まる。しかし、優れた閉じ込め能力を持つとされている対称性を持たない炉形の支配方程式は、楕円双曲型であるため、平衡解の存在は未だ知られていない。本年度では、国際研究グループ Simons Collaboration on Hidden Symmetries and Fusion Energyとの共同研究により、局所領域における準対称性を持つ解の存在を証明した(N. Sato et al. Phys. Plasmas 28 112507 (2021))。 2.これまでの研究で開発した幾何学的束縛を受けた力学系の統計理論を応用し、一般相対性理論による時空間の歪みを持つ力学系の統計平衡を導出した(N. Sato, Class. Quantum Grav. 38 165003 (2021))。 3.本研究では正準ペア (p,q) によって構成されるハミルトン力学の位相空間を、正準トリプレット (p,q,r) を基盤とする位相空間に拡張し、その力学を数学的に定式化した (N. Sato, Prog. Theor. and Exp. Phys. 2021, 6, 063A01 (2021))。本研究は PTEP Editor’s Choice に選定され(賞PTEP Editor’s Choice Award (February 2022))、日本物理学会誌で紹介された(日本物理学会誌 Vol. 76, No. 12, 2021, p. 800.)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
2021年度における本研究課題の主要研究目的は理想電磁流体方程式のユークリッド空間の連続対称性を持たない解析解を構築し、その幾何学的性質と次世代核融合炉の炉系の関係を明らかにすることである。雑誌論文 N. Sato et al. Phys. Plasmas 28 112507 (2021) で報告しているように、本目的は達成しており、圧力非等方性を持つ理想電磁流体における非対称平衡解の局所的存在を証明した。また、2022 年度の一つの研究目的である、非対称炉系におけるプラズマの統計的性質の解明を進めており、本目標の達成に向けて開発した統計理論を宇宙物理へ応用した研究を N. Sato, Class. Quantum Grav. 38 165003 (2021) で報告している。さらに、本研究ではハミルトン力学による理論解析が必要となるが、N. Sato, Prog. Theor. and Exp. Phys. 2021, 6, 063A01 (2021) ではハミルトン力学の拡張について報告しており、本研究は PTEP Editor’s Choice に選定され、日本物理学会誌で紹介される等、高い評価を受けている。これらの研究成果を踏まえて、当初の計画以上に研究が進展していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度の主要研究目的は、2021年度で構築した非対称解析解を活用し、理想電磁流体方程式の非対称解の存在条件および非対称炉系におけるプラズマの統計的性質を明らかにすることである。本目的の達成に向けて、現在取り組んでいる研究課題は下記の通りである: 1.周期解の構築:本研究では、対象性を持たない磁場を可能にする次世代核融合炉の炉系が問題となっている。そのため理想電磁流体方程式が成立する領域の境界そのものも問題の変数である。本小目標では、クレブシュパラメターによる解と境界の表現を用い、2021年度で構築した局所的解析解の炉系全体で成立する解への拡張を目的としている。 2.炉系の分類:本小課題では、2021年度で構築した局所的解析解の幾何学的性質の解明と、非対称解を可能にする炉系の分類を目的としている。 3.プラズマの統計的性質のモデル化と数値シミュレーション:本小課題の目的は非対称炉系におけるプラズマの統計的性質を明らかにすることである。そこで、炉内の電磁場乱流を記述する方程式の開発、関連する数値シミュレーションの準備、及びこれまでの研究で開発した統計理論の活用による炉内プラズマの統計平衡の解析を進めている。 4.クレブシュパラメターによる偏微分方程式の解析:これまでの研究では変分原理や関数解析による解析が困難である非線形偏微分方程式や楕円双曲型方程式に対して、クレブシュパラメターによる解の表現が有効な解析手法であることを示した。本小課題の目的は、上記で述べた1. と 2. で開発した数学的手法を広いクラスの偏微分方程式に応用することである。
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