2023 Fiscal Year Research-status Report
Relation between fractality and degree correlation in complex networks
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21K13853
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
水高 将吾 茨城大学, 理工学研究科(工学野), 助教 (70771062)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 複雑ネットワーク / フラクタル / 次数相関 / 臨界現象 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、ネットワークのフラクタル性と次数相関の一般的関係を明らかにすることを目的としている。令和5年度は、次数相関構造が解析的に書き下せるランダムグラフを取り上げ、次数相関とフラクタル性の関係を調べた。対象となるランダムグラフとして各ノードの次数が任意の分布に従うコンフィグレーションモデルから生成されるものを扱った。ランダムグラフがフラクタル性を獲得するパーコレーション臨界点近傍の系の最大連結成分(エッジを介して互いに行き来可能な最大ノード集合)の性質を理論的・数値的に解析した。具体的には、ランダムグラフの最大連結成分のノードのミクロなつながりを指定する次数相関構造を確率分布として数理的に抽出し、確率分布から系のマクロな性質であるフラクタル構造を直接的に導出可能であることを示した。本研究の結果、次数kのノードを起点として半径l以内に含まれるノード数(体積)でフラクタル性を評価した際、短距離スケールと長距離スケールで観測されるフラクタル次元は異なること、すなわち構造的クロスオーバーを示すことを明らかにした。また、クロスオーバーが起こる距離スケール(クロスオーバー距離)は起点となるノードの次数kに依存し、クロスオーバー距離は起点ノード次数の増加関数であることを明らかにした。これらの結果は大規模数値計算を用いて数値的にも検証された。次数相関の考慮なしにフラクタル性を評価している従来研究は、長距離スケールでのフラクタル次元のみを与える。この点で、本研究での次数相関構造からのフラクタル解析は、従来研究よりも解像度の高い結果を与えているといえる。また、本研究はネットワークの次数相関構造から、そのネットワークが有する他の構造的性質を抽出することに成功した初めての例であり、本課題の目的の一部を達するものである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和5年度の研究成果は本申請課題で解明を目指していたテーマの一つであり、順調に成果が出ているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度は、特定のモデルであるランダムグラフの次数相関から系のフラクタル性を直接導出できることを示した。この一般性に関して、他のフラクタル・ネットワークモデルおよび実ネットワークの次数相関構造を数値的・解析的に調べることで検証を進める。また、ノード間のミクロなつながりを指定する次数相関がフラクタル構造を除く他の構造的性質とどのように関連しているのかについてモデル・ネットワークおよび実ネットワークから探る。
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Causes of Carryover |
校務の都合により参加を予定していた国際会議への出席を見送ったため残額が生じた。令和6年度開催の会議への参加を予定している。
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