2021 Fiscal Year Research-status Report
半径方向大域光学計測を用いた、乱流フロント伝播現象の実験研究
Project/Area Number |
21K13902
|
Research Institution | National Institute for Fusion Science |
Principal Investigator |
小林 達哉 核融合科学研究所, ヘリカル研究部, 助教 (30733703)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | プラズマ乱流 / 乱流伝播 / トカマク |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,トーラスプラズマにおいて乱流伝播機構を実験的に明らかにすることである.そのために,新規に計測装置を設計し,導入することを計画している.初年度である本年度は,ガスパフ イメージング分光計測装置の仕様を決定した.再現性の良いガス入射を可能にするため,高圧バッファータンクおよびソレノイドバルブを用いる.入射ガスは,プラズマへ与える摂動が小さい水素と,背景発光の影響を受けにくいヘリウムを状況によって使い分ける.TEXTOR装置で開発されたシャワー状ガス噴射ノズルを用い,発散角の小さいシートビームを生成する.下側ポートに導入したCCDカメラでシートビーム幅を実測し,空間および波数分解能を計算する.ガス発光観測のための光学系を,ガス入射装置の隣のセクションに導入する.10-20度の仰角を持つ磁力線に平行な視線を取り,空間および波数分解能を高める.Photron社の高速カメラNOVA S9を用いて、128x64ピクセル (ポロイダル方向x半径方向),400 キロフレーム/秒での計測を行う.0.7 mm/ピクセル程度の空間分解能を持たせるため,焦点距離20mm,f/1.8のカメラレンズを対物レンズとして利用する.視野の詳細調整のため,特注の3軸調整カメラマウントを用いる.水素発光線(656.2 nm)またはヘリウム発光線(587.6 nm)を計測するため,干渉フィルターをカメラレンズにマウントする.
その他,データ解析などから得られた成果を,以下に列挙する.(1) 乱流場計測データの最大エントロピー法を用いた解析方法を開発した [T. Kobayashi Plasma Phys. Control. Fusion 64, 045011 (2021)].(2) 閉じ込め改善現象の1つである内部輸送障壁の同位体効果を明らかにするためのデータ解析を行った[Nucl. Fusion 61, 126013 (2021)].
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
COVID19の影響で現地に赴いての打ち合わせおよび計測器導入は叶わなかったが,その代わりメールやリモート会議を活用した打ち合わせで詳細な計測器の仕様について打ち合わせることができた.
|
Strategy for Future Research Activity |
2022年度は,実験装置のある九州大学に出張し,ガスパフ イメージング分光計測装置の導入と試験を実施する.
|
Causes of Carryover |
COVID19蔓延のため実験装置が設置されている九州大学に赴いての計測器導入ができなかったため.2022年度は,2021年度分の計画もまとめて実施する.
|
Research Products
(5 results)