2022 Fiscal Year Annual Research Report
高周波プロセスプラズマにおいて真空容器壁面の状態がプラズマに与える影響の評価
Project/Area Number |
21K13907
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
鈴木 陽香 名古屋大学, 工学研究科, 講師 (80779356)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | プロセスプラズマ / 高周波プラズマ / CCP |
Outline of Annual Research Achievements |
代表的なプロセスプラズマ装置のひとつである高周波プラズマ装置においては、装置構造の影響によりプラズマ空間不均一性が発生することがある。その評価においてはプラズマ診断が必須であるが、擾乱を引き起こすプラズマ計測手法の採用は困難である。本研究ではプロセスプラズマ中の壁面や電極などの装置構造がプラズマに与える影響の評価を非接触で行うことを試みた。初年度においては、真空容器内に設置された電気的に浮遊したライナー壁電位とバイアスステージ電位の測定によって、浮遊壁に囲まれたプラズマ電位が推定された。また壁の状態が変化した際の、ステージ-プラズマ-ライナー壁の電位構造の変化について評価した。しかしながらプラズマの空間構造を無視した1次元的な解析となっていたことから、本年度は高周波プラズマの空間構造を非接触で計測するための光学測定系の構築を行った。真空容器側面にある観察窓からプラズマの撮影を行うためカメラを用意した。真空容器内部は光反射の影響を抑えるために黒塗装した。カメラ画像は3次元情報を撮像の方向に対して積算して2次元化したものとなっているため、2次元情報から3次元的な構造情報に再構成するためのカメラパラメータを事前に実験的に評価した。まず、一方向から得られた画像を元に、3次元的構造を円周方向均一とした2.5次元空間分布を評価した。電極面内において発光強度が強く、また電極直上から上部に向かって発光強度が減少している結果が得られた。 本研究の手法において、高周波プラズマにおける空間的な電位構造およびプラズマ発光分布の推定が行われた。簡易的な等価回路モデルを用いながらも、浮遊壁に囲まれたプラズマの電位の推定が可能となった。また、プラズマの空間的構造を得るため、画像の再構成から2.5次元情報の取得を確認した。これらは、新しいプロセスプラズマの非接触評価方法になり得ると考えられる。
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Research Products
(1 results)