2022 Fiscal Year Research-status Report
Inflationary universe in light of stochastic calculus, primordial black holes, and gravitational waves
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21K13918
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
多田 祐一郎 名古屋大学, 高等研究院(理), 特任助教 (90837022)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 確率形式 / 原始ブラックホール / 重力波 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度は7本の論文を発表、特に arXiv:2211.05767 では研究課題の3本柱の1つである原始ブラックホール (BH) に関する最新のレビュー記事を共同で執筆した。これは書籍 "Listening to the dark Universe: black holes in the era of gravitational-wave astronomy" の一章に招待記事として掲載予定である。Astrophys. J. 939, no.2, 65 (2022) では原始 BH 連星のスピンを統計的に議論し、また 2209.13891 では曲率ゆらぎの確率密度関数が指数尾を持つ場合の原始 BH 量と誘導重力波量を対応づけるなど、原始 BH と重力波の連携研究を進めている。2209.11051 では高エネルギー加速器研究機構 (KEK) の He 博士を交えヒッグスインフレーションの紫外完備化に関する議論を行なった。一連の成果は4件の国際会議、4件の国内会議、第11回観測的宇宙論ワークショップでの招待講演、立教大学でのセミナーにおいて発表した。研究経費は主に計算機資源に使う他、KEK やこれら研究会への出張費として使用した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
原始 BH のレビュー記事依頼や共同研究者である大学院生やポスドク研究員の方々の尽力もあり本年度は7本の論文を発表することができ、研究は大きく進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は確率解析・原始 BH・重力波の三位一体解析を進めるとともに、確率解析の格子シミュレーションの実現も目指す。確率解析は粗視化場の有効理論として格子計算による第一原理計算に耐える定式化になっており、解析計算のためのさまざまな近似や簡単化から解放された真の非摂動的計算を行うことができる。これを用い例えば原始 BH を作りうるような過密度領域をシミュレートし、本当に原始 BH を生成するかを議論することなどができるようになる。本研究は名古屋大学水口氏および立教大学村田氏とともに進めている。
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Causes of Carryover |
コロナ禍が続き予定していた海外出張ができず、逆に次年度にはコロナ禍が明け多くの出張費が必要になることが予想されたため。
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Research Products
(18 results)