2022 Fiscal Year Annual Research Report
LHC加速器の陽子＋陽子衝突におけるカイラル対称性の回復現象の探索
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21K13945
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| Research Institution | Hiroshima University |
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Principal Investigator |
八野 哲 広島大学, 先進理工系科学研究科(理), 助教 (20850720)
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| Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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| Keywords | クォーク・グルーオン・プラズマ / QGP / カイラル対称性 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
2021年度に、MFT検出器のALICE検出器群へのインストールが完了した。研究代表者は、飛跡再構成アルゴリズムや、検出器コンディション情報を保存するデータベースソフトウェアの開発を進めた。
ミュー粒子飛跡再構成に関しては、機械学習を適用することで、陽子+陽子衝突実験における低い横運動量領域（~ 0.5 GeV/c）で、飛跡再構成効率90%、純度>90%を達成した。加えて、ミュー粒子単体の飛跡再構成性能だけでなく、φ中間子やJ/ψ中間子の再構成性能も陽子-陽子衝突および鉛+鉛衝突で評価した。データベースソフトウェアに関しては、検出器制御系からリアルタイムで送られてくる検出器の状態情報を集約し、データベースに保存するソフトウェアの開発を行なった。また、キャリブレーション結果を集約し、検出器制御系へと送信するソフトウェアの開発も行った。
2022年7月には、第3期LHC加速器実験が開始され、13.6TeVの陽子-陽子衝突データが取得され、ミュー粒子の飛跡再構成が成功した。実際に取得されたデータを解析し、J/ψ中間子が再構成できていることをを確認した。
本測定の大きなバックグランドとなる重クォーク相関に由来するミュー粒子対の寄与を、第2期LHC加速器実験（2015-2018年）で取得したデータで確認し、シミュレーションを調整した。
研究開始時の計画では、2022年に10カ月間データ取得が予定されていたが、加速器や実験の調整の遅れにより、データ取得期間は4カ月に短縮された。また、実験側のデータ取得系の調整に遅れが生じたため、質量変化までの調査はできなかったが、J/ψ中間子のピークが明確に観察され、来年度中に高粒子多重度事象における質量変化の検証が可能となることが期待される。
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