2023 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
21K13956
|
Research Institution | National Astronomical Observatory of Japan |
Principal Investigator |
柏野 大地 国立天文台, 科学研究部, 特任助教 (80897588)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | 宇宙再電離 / 遠方銀河 / JWST |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度に引き続き、James Webb Space Telescope (JWST) の観測プロジェクトである「EIGER計画」を推進した。得られたデータのリダクション処理を行い、遠方宇宙の星形成銀河を同定し、各銀河の正確な距離や性質を測定した。これにより、宇宙再電離期における世界最大の分光銀河サンプルを構築することに成功した。この銀河サンプルを用いて、特に、宇宙再電離における銀河の役割に関する研究を行った。具体的には、銀河サンプルと、観測領域に存在する遠方クエーサーの分光スペクトルデータを組み合わせ、銀河の周囲の平均的なライマンα線の透過率を求めた。これにより銀河の周囲で選択的に銀河間ガスの電離が進んでいることを示す証拠が新たに得られた。これは前年度に投稿した主著論文の結果を強化するものである。この成果は招待講演を含む複数の国際・国内会議で報告した。現在、主著論文を準備中である。
また、同じ観測データを用いて、1) 遠方の暗いAGNサンプルの構築と性質についての研究 (Matthee et al., 2024), 2) 銀河周辺物質の金属汚染に関する研究 (Bordoloi et al., 2024)、 3) 宇宙再電離期における超大質量ブラックホールの性質についての研究 (Eilers et al. 2023)、4) 宇宙再電離期にクエーサーの親銀河の性質についての研究 (Yue et al., 2024) などを行った。これらはそれぞれ論文で報告し、2023年度中に出版、あるいは受理された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
観測、データ解析とも予定通り進んでおり、複数の共著論文の出版ができ、また主著論文の準備も順調であるため。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後はJWSTによって新たに得られるデータを加えて、解析を進める。また、大幅に増加した銀河サンプルを活かして、銀河の性質による宇宙再電離の貢献度合いの違いなど、新たなパラメータスペースを調査する。さらに、数値シミュレーションの結果との詳細な比較を通し、理論研究への定量的なフィードバックを提供することを目指す。
|
Causes of Carryover |
航空券が予定よりも低額で購入できたため。次年度に旅費として使用する。
|
Research Products
(19 results)
-
-
-
-
-
-
[Journal Article] Elentari:a massive proto-supercluster at z~3.3 in the COSMOS field2023
Author(s)
Forrest Ben、Lemaux Brian C、Shah Ekta、Staab Priti、McConachie Ian、Cucciati Olga、Gal Roy R、Hung Denise、Lubin Lori M、Cassar Letizia P、Cassata Paolo、Chang Wenjun、Cooper M C、Decarli Roberto、Gomez Percy、Gururajan Gayathri、Hathi Nimish、Kashino Daichi、et al.
-
Journal Title
Monthly Notices of the Royal Astronomical Society: Letters
Volume: 526
Pages: L56~L62
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-