2023 Fiscal Year Research-status Report
Investigation of the expression mechanism of the narrow line region in active galactic nuclei
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21K13958
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Research Institution | Fukuoka University of Education |
Principal Investigator |
水本 岬希 福岡教育大学, 教育学部, 講師 (10880825)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | ブラックホール / 活動銀河核 |
Outline of Annual Research Achievements |
活動銀河核統一モデルは、見え方の異なる活動銀河核の種族を観測方向の違いで説明するモデルであり、現在まで広く受け入れられている。このモデルでは中心ブラックホールの近くに広い輝線を出す領域が存在し、それを コンプトン厚なトーラスが取り巻き、極方向に空間的に広がった狭い輝線を出す領域がある,という構造を考えている。一方で、これらの登場人物はあくまで現象論的に導入されたもので、物理的な起源や実態については未だ十分に理解が追いついていない。それらの物理的起源を迫るために、以下の研究を行った。 (I) 本研究課題設定時の最大のテーマであった、活動銀河核アウトフローによって狭輝線領域でshock excitationが起こっているということを示す論文が受理された。近赤外線分光観測により13天体の[Fe II]/[P II]比をこれまでで最も良い精度で測定し、shock excitationの有無を調べた。また、[S III]輝線で見られるアウトフローの有無と速度を調べた。結果として、[S III]アウトフローとshock excitaitonの存在に正の相関が見られた。本研究成果により、狭輝線領域の生成にアウトフローが大きな影響を与えていることが示された。 (II) X線観測から、ブラックホール周りの吸収体の構造を説明するモデルの構築に成功した。 こうして,ブラックホール周りの構造の物理的実体を明らかにする,という本研究の目的は着実に進んでいる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
活動銀河核の構造の物理起源に迫るという観点で,赤外線とX線という異なる波長で複数の論文を投稿することができた。これにより,研究課題を大きく進めることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
次世代X線望遠鏡XRISMのうちあげが行われ、高品質のX線スペクトルが取得されるようになった。これにより,ブラックホールごく近傍でのガスの流れを調べることが可能となる。これは,活動銀河核を構成する様々な成分の物理実態を調べる上で強力なツールとなりうる。初期観測データのみならず、公募観測を通じて多くのデータを解析する。
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Causes of Carryover |
計算機の故障に伴い予定外の出費が必要となったため、次年度から10万円を前借りする申請を行った。10万円全てを使い切らず、結果として残額が生じた。
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Research Products
(9 results)