2022 Fiscal Year Research-status Report
Study of fast variability of accretion physics by high-speed multi-wavelength observations
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21K13970
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
木邑 真理子 国立研究開発法人理化学研究所, 開拓研究本部, 基礎科学特別研究員 (40879699)
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Project Period (FY) |
2022-02-01 – 2025-03-31
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Keywords | 矮新星 / 多波長観測 / ブラックホール / 降着円盤 / 時間領域天文学 / 突発天体 |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は、2020年度に観測したはくちょう座SS星のX線・可視光同時観測データを解析し、論文化を行った。過去の観測では見つからなかった、X線と可視光の光度変動の高い相関が見つかったこと、X線変動に対して可視光変動が1秒程度遅れていることから、何かしらの理由でこの天体の白色矮星近傍のX線プラズマが空間的に拡大し、円盤と伴星を照射する効果が高くなっていることが分かった。この結果はNishino & Kimura & Sako et al. (2022)として出版済みである。この成果により、X線スペクトルの解析とは別の方法でX線プラズマの幾何学構造に制限をつけられることが分かった。 また、2018年にアウトバーストを起こしたMAXI J1820+070というブラックホール連星について、すでに取得されたX線と可視光の同時観測データを解析中である。ミリ秒スケールのフレアに注目し、フレアの平均プロファイルを比較することで、放射メカニズムに制限をつけることが目的である。 他に、2023年1月にアウトバーストを起こした矮新星GK PerのX線・可視光・電波の同時観測を行った。現在、X線・可視光データの解析を進めている。 予想外にも、せいめい望遠鏡TriCCSでガンマ線バーストの可視光高速観測にも成功したため、現在データの一時処理を行っている。 2023年度打ち上げ予定のXRISM衛星について、JAXA, NASAのメンバーと議論し、NuSTAR衛星の観測提案書を書き、受理された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
突発天体の研究は、天体がいつ突発現象を起こすかという運に左右されることも多いが、これまでに取得した観測データの解析を進めつつ、新しい観測データも取得できている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、MAXI J1820+070とGK Perの観測データの解析を行い、論文化を進める予定である。 また、せいめい望遠鏡TriCCSについては、新装置のためデータ処理が難しい部分もあるため、今後のためにデータ処理の方法を整理し、確立する。
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Causes of Carryover |
年度途中で勤務地を変更したため、物品を購入したり出張したりする予定を上手く立てられない時期があり、科研費の使用開始が遅れてしまった。次年度は、その遅れを取り戻し、共同研究者のいる東京大学・山口大学への出張も行う。また、観測のため、京都大学、岡山観測所への出張も行う。
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Research Products
(3 results)