2023 Fiscal Year Annual Research Report
次世代大気大循環モデルで解き明かす、系外惑星大気の大気循環と雲の影響
Project/Area Number |
21K13975
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
小玉 貴則 東京工業大学, 地球生命研究所, 特任准教授 (80806662)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 系外惑星 / 大気循環 / 雲 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では、雲の形成と大気組成の変化を考慮した3次元大気大循環モデルを構築し、系外惑星気候における雲の役割を定量化することを目標としている。そのために、近年、現在地球気象で開発され、多くの実績を残している全球雲解像モデルを系外惑星に応用するために、その開発を行った。
本年度は、全球雲解像モデルの系外惑星化を行い、テスト計算を行った。近年観測的に質量と半径が制約された、低質量星周りの短周期地球型惑星に対応したモデル改良を行った。太陽型星より軽い低質量星は、暗く、恒星スペクトルが赤外寄りになる。そのため、想定されているハビタブルゾーン(惑星表面に液体の水を維持する中心星からの距離の範囲)が中心星近傍に位置していると考えられる。それら短周期惑星は、中心星からの潮汐力により、潮汐固定状態(公転周期と自転周期が同期)にあり、恒久的な昼面と夜面を持つため、3次元的な振る舞いを捉えることが必要不可欠である。具体的な修正は、1)中心星スペクトルの更新、2)放射コードの改良、3)同期回転状態の再現、を主に行った。東京大学Wisteriaでのテスト実験を行い、正常に気候シミュレーションができることを確認した。実験設定は、水平解像度約10kmで鉛直78層の解像度、想定された恒星と惑星はTRAPPIST1とTRAPPIST1-eである。これはテスト計算であり、計算資源に制限があったため、約4年間の積分を行った結果、先行研究で示されていたような昼面における厚い雲ではなく、広く分布している雲分布を確認した。しかしながら、4年間の積分ではまだ並行状態には至っていない。本課題の成果の結果、令和6年度富岳若手課題に応募・採択され、長期積分が可能な状況になっている。
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