2023 Fiscal Year Annual Research Report
惑星大気テラヘルツ波放射過程理解のためのモデル構築及び実験室圧力幅測定
Project/Area Number |
21K13985
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Research Institution | National Institute of Information and Communications Technology |
Principal Investigator |
山田 崇貴 国立研究開発法人情報通信研究機構, テラヘルツ研究センター, 主任研究員 (00852261)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | テラヘルツ波 / 分光測定 |
Outline of Annual Research Achievements |
テラヘルツ波を用いた大気観測では、大気を構成する分子種の回転スペクトルが得られ、大気からの放射を観測するため昼夜問わず観測が可能である。得られた観測スペクトルの解析には、観測対象の惑星大気を再現した実験室分光測定より得られる分光パラメータが必要である。 本研究では、テラヘルツ波送受信機を用いた220-500GHz帯におけるガス分光システムの構築を完了した。アセトニトリルの多数の吸収線を用いた本システムの吸収率の線形性を評価した。線形回帰ではR二乗値は0.991であった。線形性の評価では、低圧で行ったものの、スペクトル幅の影響を解析では考慮しきれていないため、システム特性と併せて高次評価することにより、より高い線形性の確認ができることが期待される。本システムは、上記周波数において、周波数分解能・バンド幅が任意に変更できるため、ガスサンプルの安定性・スペクトル幅に合わせた設定の最適化が可能である。本評価は周波数分解能100kHz、IFbanndowidth300Hzで実施しており、火星大気の圧力幅によるスペクトル広がりを十分に分解可能である。 また本研究機関を通じて実施した火星大気のサブミリ波望遠鏡による観測及び、逆解析アルゴリズムの開発では、観測スペクトルから、実験室で取得された吸収強度及び圧力幅パラメータ等を用いて大気鉛直プロファイルの導出及びその鉛直分解能や誤差評価を可能にした。上記のとおりテラヘルツ波帯における火星大気分子観測のための、圧力幅測定装置システムの研究開発を完了した。
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