2021 Fiscal Year Research-status Report
若い星団における視線速度観測に基づく惑星の形成・進化過程の解明
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21K13987
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Research Institution | Center for Novel Science Initatives, National Institutes of Natural Sciences |
Principal Investigator |
寳田 拓也 大学共同利用機関法人自然科学研究機構(新分野創成センター、アストロバイオロジーセンター、生命創成探究, アストロバイオロジーセンター, 特任研究員 (70896852)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 系外惑星 / 視線速度法 / 高分散分光 / 散開星団 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、これまでに発見されている短周期の木星型惑星の形成過程を明らかにすることを目的として、(1)年齢の若い恒星周りでの視線速度法を用いた木星型惑星探索と(2)活動性由来の視線速度相関ノイズの評価・除去手法の開発、の二つの研究に取り組んだ。 (1)年齢の若い恒星周りでの視線速度法を用いた木星型惑星探索 今年度はすばる望遠鏡と岡山188cm望遠鏡を用いてプレアデス星団内の恒星に対する視線速度観測を行なった。すばる望遠鏡では短周期惑星の探索を目的として新たに18天体を観測し、視線速度解析と恒星表面活動の評価とを行なった結果、有意な惑星候補の検出はされなかった。岡山188cm望遠鏡では、長周期惑星の有無を確認することを目的としたモニター観測を比較的明るい天体に対して行なった。結果として、1つの天体からは長周期の視線速度変動が確認された。次年度は、この変動が惑星由来であるかを確認するために集中的な観測を行う予定である。 (2)活動性由来の視線速度相関ノイズの評価・除去手法の開発 今年度は恒星活動性由来の視線速度変動が確認されている天体のアーカイブデータを解析することで手法の検討を行なった。まず、活動性に敏感であることが分かっている吸収線のみを用いた線輪郭解析を行うことで、視線速度変動と活動性の指標とがより強く相関することが明らかになった。次年度は様々なスペクトル型の恒星に対しても同様の解析を行い、吸収線の活動性に対する振る舞いを詳細に調べる。また、表面活動が活発な天体に対する視線速度観測を岡山188cm望遠鏡を用いて実施し、最適な解析手法を検討する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究(1)については、今年度は岡山188cm望遠鏡に加えてすばる望遠鏡の観測時間を確保できたため、視線速度観測を概ね予定通り実施できた。研究(2)については、アーカイブデータを用いた検討は予定通り進めることができた。ただ、予定していた視線速度観測については実施できなかったため、次年度での実現を目指す。
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Strategy for Future Research Activity |
研究(1)については、今年度の観測状況も踏まえてサンプルを絞った上でモニター観測を行い、長周期惑星の有無を調査する。そのためにも、今後も継続して観測時間の確保に努める。研究(2)については、引き続き解析手法の開発・検討を進めることと並行して、実際に観測を行い解析手法の確立を目指す。
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Causes of Carryover |
予定していたより観測実施日が少なくなったため、望遠鏡使用料として見込んでいた予算に未使用分が生じた。次年度は、主に望遠鏡使用料、旅費、物品購入費に助成金を使用する予定である。今年度の未使用分については、望遠鏡使用料と旅費としての使用する。
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