2023 Fiscal Year Research-status Report
若い星団における視線速度観測に基づく惑星の形成・進化過程の解明
| Project/Area Number |
21K13987
|
|---|
| Research Institution | National Institutes of Natural Sciences |
|---|
Principal Investigator |
寳田 拓也 大学共同利用機関法人自然科学研究機構(機構直轄研究施設), アストロバイオロジーセンター, 特任研究員 (70896852)
|
|---|
| Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
| Keywords | 系外惑星 / 視線速度法 / 高分散分光 / 散開星団 |
|---|
| Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、これまでに発見されている短周期の木星型惑星の形成過程を明らかにすることを目的として、(1)年齢の若い恒星周りでの視線速度法を用いた木星型惑星探索と(2)活動性由来の視線速度相関ノイズの評価・除去手法の開発、の二つの研究に取り組む。
(1)年齢の若い恒星周りでの視線速度法を用いた木星型惑星探索
前年に引き続き、ドームの故障により岡山188cm望遠鏡を用いたデータの取得は行っていない。一方で、すばる望遠鏡及び前年度から新たにせいめい望遠鏡を用いた若い恒星周りの惑星探索を実施しており、サンプル数を拡張できている。現時点ではまだサンプル数が不十分ではあるが、他のグループが行った若い恒星周りでの惑星探索の結果と組み合わせることで先行研究との比較が可能な段階まで達している。すばる望遠鏡で観測した結果については十分なサンプル数が確保できているため、論文化を目指す。より精度の高い統計解析を行うために次年度以降も観測は継続する。また、長周期変動を示す天体も確認されており、長期モニター観測も行う。岡山188cm望遠鏡については、次年度中に復旧予定となっているため、利用可能になった段階で観測を再開する。
(2)活動性由来の視線速度相関ノイズの評価・除去手法の開発
本テーマは岡山188cm望遠鏡を用いて進める予定となっている。今年度は観測が行えていないため主だった進捗は得られていない。次年度はドーム復旧次第観測を再開し、視線速度変動と恒星スペクトルの吸収線形状及び測光変動との関係を調査する。
|
| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究(1)については、岡山188cm望遠鏡のドームの故障により観測を行うことができなかった。
一方で、せいめい望遠鏡やすばる望遠鏡による観測を行っており、サンプル数の拡張はできている。
研究(2)については、観測が実施できていない。次年度はデータ取得と解析方法の検討を進める。
|
| Strategy for Future Research Activity |
研究(1)については、サンプルの拡張を目的として、すばる望遠鏡や次年度から共同利用が可能となったせいめい望遠鏡+GAEOS-RVを用いた観測時間を獲得す
るために観測提案をしていく。すばる望遠鏡を用いた観測については十分な天体数を観測できているので、次年度中に論文化を予定している。
次年度中にドーム復旧を予定している岡山望遠鏡については、利用可能になった段階で長周期惑星探索のための観測を進める。
研究(2)については、ドーム復旧後に岡山望遠鏡を用いて視線速度観測と測光観測を同時に行う予定である。また、恒星スペクトルの吸収線形状の情報と測光変動の情報を同時にモデル化する手法の検討を進める。
|
| Causes of Carryover |
望遠鏡使用料に当てる予定だった観測がドームの故障により年度の後半から実施できなくなったため予算に未使用分が生じた。また、研究会にオンライン参加をすることになったため、旅費として見込んでいた予算に未使用が生じた。
未使用分は次年度に望遠鏡使用料、旅費、物品購入費として使用する予定である。
|
