2023 Fiscal Year Research-status Report
Development of a new probabilistic expression for short-period precipitation forecast based on a large ensemble
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21K13996
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
雨宮 新 国立研究開発法人理化学研究所, 開拓研究本部, 研究員 (60839182)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | データ同化 |
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は小課題4のクラスター解析と関連づけたアンサンブルデータ同化手法の開発を別の観点から進めた。高頻度のデータ同化による背景誤差の非ガウス性への対応の可能性に着目した。通常の気象レーダの観測間隔は5分であるが、急速に発達する積乱雲のような現象においては5分間に系の状態が大きく変化するため、アンサンブルカルマンフィルタの理論における誤差分布のガウス性の近似が成り立たない場合がある。この問題に対して、前年度は局所粒子フィルタを用いたアプローチを試みたが、今年度はフェーズドアレイ気象レーダのような高頻度の観測データを同化することの効果を調べた。局所数値天気予報モデルSCALE-RMと局所アンサンブル変換カルマンフィルタ(LETKF)を用いて、レーダ反射強度のデータ同化を想定した理想実験を行った。30秒間隔での同化を行った場合の解析値は通常の5分間隔の場合に比べ真値に近く、直接同化されない変数を含めた解析値の精度向上を確認した。また第一推定値の誤差分布の非ガウス性を調べ、30秒間隔の同化により非ガウス性が著しく減少することを確かめた。一方で、この理想実験においては解析値からの数値予報は5分間隔の同化の場合でもすでに十分に真値に近く、30秒間隔の同化の必要性は示されていない。今回の結果を踏まえて、数値予報の精度の低い現実事例へと研究を発展させ、観測範囲の限界やモデルの系統誤差、背景場の不確かさなど解析値の精度に影響する様々な他の要因を考慮した場合の高頻度データ同化の効果の検証を行っていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2023年度は本課題に取り組む時間を十分に確保することができず、進捗は予定より遅れた。 小課題4のデータ同化に関する課題は概ね当初の計画通り進行している。しかし、小課題1の実際の観測データに基づいた系の確率的時間発展の性質の調査が未着手であり、そのため小課題2と3における具体的な実験計画のために必要な基礎的な知見が不足している。
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Strategy for Future Research Activity |
小課題4のデータ同化手法の開発に関する成果を論文にまとめて報告する。その上で、小課題1の対流性降水現象の確率的な時間発展の特徴づけに取り組む。長期間の観測データを用いて、目的とする現象自体の性質について理解を深め、それに基づき今後の数値モデルや解析手法を用いた数値実験の計画を再構築する。
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Causes of Carryover |
2023年度は支払請求額に比べ実際の支出額が小さく、大幅な次年度使用額が生じた。主な理由は研究の進行が想定より遅れたため年度内の論文投稿と海外学会参加が行われなかったことである。 次年度使用額のうち、論文投稿料にあたる部分は投稿時期が翌年度となる当該論文のために充てる。他は翌年度分の助成金と合わせて、国際・国内学会への参加の機会を増やし、主に旅費・参加費として用いる。
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