2021 Fiscal Year Research-status Report
Development of a advanced InSAR atmospheric correction method by fusing GNSS observation and numerical atmospheric modeling
Project/Area Number |
21K14006
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
木下 陽平 筑波大学, システム情報系, 助教 (90750703)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | InSAR / GNSS / 大気伝搬遅延効果 / 数値気象モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度は、当初の研究計画に沿ってGNSS観測で得られる天頂遅延量および水平遅延勾配データを基にしてInSAR大気遅延補正モデルを開発した。開発したモデルの補正能力については、ALOS-2/PALSAR-2 ScanSARから得られたInSARデータ計38シーンに対して適用することで検証した。同じInSARデータに対して適用した他の大気遅延補正手法(気象庁メソスケールモデル、GACOS)との比較の結果、本研究で新たに開発した手法が最も高い補正効果を示した。また開発した補正手法の、GNSS観測点密度に対する感度を明らかにすべく、GNSS観測点数を制御することによる感度実験を行い、水平遅延勾配の利用が、GNSS観測点数が少ない場合での補正能力の維持に寄与していることを明らかにした。本報告執筆時点において、これらの研究成果を論文原稿として執筆・投稿している。当初研究計画では2022年度において投稿を予定していたため、現在の研究進捗は当初の計画より進んでいると言える。 また2021年度に研究が想定以上に進んだため、当初2022年度から着手予定であった「開発したGNSSベースの補正モデルと数値気象モデルとの融合モデルの開発」にも着手した。研究計画に従い、非静力学数値気象モデルWRFを用いて、SAR観測時刻前後の風速場をシミュレートし、Onn and Zebker (2006, JGR)で用いられたfrozen flow仮説を適用することでGNSS天頂遅延量データの増加を図った。これにより入力データの数は大幅に増加できたものの、それに基づくInSAR遅延補正の適用結果は、GNSSのみによる補正結果とほぼ同じであった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
【研究実績の概要】において述べた通り、当該年度の2021年度には、当初計画では2022年度に実施予定であった論文投稿や数値気象モデルとの融合に予定から先行して着手できており、当初の計画以上に進展しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度は研究計画に従い、「GNSSベースのInSAR遅延補正モデルと数値気象モデルとの融合」に引き続き取り組む。初期実験において数値気象モデルを組み込んでも想定したような補正効果の向上がみられなかった原因を調査し、場合によっては当初計画とは異なる手法での融合も視野に入れて研究開発を行う。補正効果の向上が実現できた際には、学会発表や論文投稿も行う。また、2023年度に実施予定の「開発した補正モデルを利用可能なWebシステムの開発」へ向けて、2022度から準備を始める予定である。
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