2023 Fiscal Year Annual Research Report
南大洋の珪藻F. kerguelensisの形態に注目した古環境指標の確立
Project/Area Number |
21K14030
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
加藤 悠爾 高知大学, 教育研究部自然科学系理工学部門, 講師 (80863406)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 珪藻 / 南大洋 / 形態 / 古環境指標 |
Outline of Annual Research Achievements |
南大洋インド洋セクターにおける一連の研究航海(白鳳丸KH-19-1やKH-20-1など)で採取された海水プランクトン試料および表層堆積物試料の珪藻群集を調べるとともに,珪藻F. kerguelensisの形態解析を行なった(約30地点)。なお,一部の試料については,スライドスキャナを活用して大量のF. kerguelensis標本画像を取得している(2023年度の分析)。その結果,現生海水プランクトン試料においてF. kerguelensisの平均殻面積が南極前線付近で最大となることなどが明らかになり,かつ,表層堆積物試料(F. kerguelensisの化石)においても同様な傾向が見られることが確かめられた。これによりF. kerguelensisの殻形態は,地質学的過去における海洋フロントの変動を調べるうえで有益であることが示唆された。ただし,F. kerguelensisの形態変化の要因については解明されているわけではなく,各地点における栄養塩濃度などの環境パラメータのデータ取得など,更なる研究が必要である。
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