2022 Fiscal Year Research-status Report
散逸エネルギ・ひずみ場ハイブリッド計測による異材摩擦攪拌接合の損傷メカニズム解明
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21K14043
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
小川 裕樹 神戸大学, 工学研究科, 助教 (50880788)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 疲労 / 非破壊評価 / 接合 |
Outline of Annual Research Achievements |
高強度かつ長寿命化を実現する異材摩擦攪拌接合継手の創製に必要となる,継手のマクロからミクロまでの損傷メカニズムを解明するため,ミクロな損傷挙動を捉える散逸エネルギと継手外部のひずみ場を融合したハイブリッド計測法を構築し,異材接合継手特有の複雑な接合構造から生じる損傷挙動の時間的変化を捉える評価手法を本研究で構築する. 本年度は,Al合金と鉄鋼材料の異材摩擦攪拌接合継手を対象に,接合条件の変化による継手の強度特性を取得するとともに,その損傷メカニズムを解明した.種々の接合条件に対して継手の静的強度特性を取得し,異材界面に形成される金属間化合物の生成量が接合条件によって異なり,かつ接合時の入熱状態に応じて接合部内に空孔が発生するなど,選択する接合条件が継手の接合特性に大いに影響を及ぼすことが明らかになった.また,これらの接合特性と継手強度の相関も認められた.最適な接合条件で作製した異材接合継手に対して,散逸エネルギとひずみ場のハイブリッド計測を行い,継手の疲労限度を構築した計測手法にて推定できることが分かった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
交付申請書に記載した研究計画に沿って,異材接合継手の作製および散逸エネルギ・ひずみ場のハイブリッド計測を行うことができているため,おおむね順調に進展していると判断している.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,散逸エネルギとひずみ場のハイブリッド計測に基づき,種々の接合条件下の継手に対して疲労限度推定を実施し,接合疲労強度の向上/低下に起因する要因をハイブリッド計測から解明できるよう,ハイブリッド計測の高精度化を図る.
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Causes of Carryover |
参加予定の国際会議の次年度への延期が生じた. 次年度使用額はこれらの経費を考慮し,通常通りの計画的な使用で問題ない.
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