2022 Fiscal Year Research-status Report
簡易延命手法のき裂/焼結体界面の最適設計と高サイクル疲労特性向上
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21K14050
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Research Institution | Kurume National College of Technology |
Principal Investigator |
佐々木 大輔 久留米工業高等専門学校, 材料システム工学科, 助教 (50772498)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 疲労 / 補修 / 温度分布 / 界面 / プラズマ焼結 / 微粒子 |
Outline of Annual Research Achievements |
【具体的内容】補修時の応力をパラメータとして変化させ補修を行なった.補修した試験片に対して組織観察,破面解析を行った,ボイド・析出物の大きさ,形状,分布の応力依存性を明らかにした.有限要素法解析技術を用いて 補修時の荷重をパラメータとし,解析を行った.解析後は熱電対の計測により,解析と実験誤差を調査した.補修時のき裂位置毎における温度・応力を可視化し,ボイド・析出物の応力依存性を解明した.最も微視的損傷が少ない補修温度を採用し補修を行なった.さらに研磨,その場観察疲労試験,破面解析を行った.最終的には,疲労き裂発生寿命,疲労き裂進展寿命を伸ばすことに成功した. 【意義】プラズマ粒子補修法の効果的な補修においては,き裂発生過程を抑制することが重要である.特に焼結体とき裂面の界面剥離を抑制することで,き裂発生過程を抑制し,延命効果が大幅に上昇することを期待された.界面剥離を決定する因子は,き裂焼結体界面もしくは焼結体内部の「ボイド・微小 欠陥」と「析出物形成・元素偏析」が考えられる.これらによって界面強度,焼結体強度, 粉末層の巨視的な塑性変形能が決定される.ボイド・微小欠陥は巨視的にはき裂/焼結体未接合面積に対応する.微視的にはき裂/焼結体の界面および焼結体中に存在するボイドサイズ・分布に対応する.そこで,それを最小化するような補修温度や補修時の応力分布の可視化を行なった. 【技術的な課題】一方で,補修時は500度に試験片は加熱されるが,き裂面の温度分布,応力分布を計測することが難しい.そこで,有限要素法を用いて温度分布,応力分布を可視化した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は二次元の応力可視化技術の構築に成功した.令和3年度に開発した有限要素法解析技術を用いて 補修時の荷重をパラメータとし,解析を行った.補修時のき裂位置毎における温度・応力を可視化した.また,ボイド・析出物に関しても対応をとった.特に,疲労き裂周りのひずみ解析技術,焼結体のひずみ解析技術の構築を行うことができたため,おおむね順調と評価した.
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Strategy for Future Research Activity |
若手研究にて構築した有限要素法による力学解析技術に今年度の解析結果を用いて,き裂先端の応力集中を最も抑制する補修条件を選定する. 平均応力を減少させて,研磨,その場観察疲労試験,破面解析を行う. 本項目で最適な補修条件における補修効果の平均応力依存性を解明する.
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