2022 Fiscal Year Annual Research Report
軟X線高次高調波を用いたナノメートル分解能レーザー加工プロセスの開発
Project/Area Number |
21K14053
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
本山 央人 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 助教 (00822636)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 高次高調波 / レーザー加工 / EUVミラー |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、高強度フェムト秒レーザーを希ガスに集光照射した際に発生するEUV領域の高次高調波を利用して、サブミクロン分解能のレーザー加工プロセスを開発することである。フェムト秒レーザーから高次高調波への変換効率は、10^-6程度と極めて低く、そのため高次高調波のパルスエネルギーも極めて小さいものであるが、高精度EUVウォルターミラーを用いてサブミクロンサイズまでEUVを集光することで、金属材料の加工閾値を超えることができる。 2022年度は、国内の光学素子メーカーと連携して、ウォルターミラーの高精度化加工を実施し、ミラー形状精度を改善した。その後、いくつかの金属材料に関して加工試験を行い、そのうちのいくつの材料に関して特異な加工特性が見られた。シリコン表面に特定の材料を成膜し、その表面に一定以上の出力でEUVを集光照射することで、シリコン層が加工される。この際、照射するEUVビームの強度密度はシリコンの加工閾値以下であることがら、表面に成膜した材料がシリコン層加工において重要な役割を担っていることが示唆された。物性の異なる材料を用いた加工特性比較を実施した。 本研究期間全体を通して、高次高調波EUVビームの高出力化、加工システムの堅牢化(集光位置モニタの導入など)を通して、サブミクロン分解能EUVレーザー加工プロセスを構築した。開発した装置を用いて、金属材料のサブミクロン加工が可能であることを示した。また、特定の材料を中間体として用いることで、加工閾値以下の集光ビームでシリコンが加工されるという、特異な加工現象を発見した。シリコンの加工方法については特許出願済みであり、新規の高分解能レーザー加工プロセスとして産業応用が期待される。
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