2021 Fiscal Year Research-status Report
Elucidation and modeling of interparticle interference effect for high fidelity compressible multiphase flow simulation
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21K14071
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
永田 貴之 東北大学, 工学研究科, 特任助教 (30898276)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 圧縮性低レイノルズ数流れ / 粒子間干渉 / 圧縮性混相流 |
Outline of Annual Research Achievements |
数値計算による研究に関しては,主流に対して並列,直列,斜めに配置された2粒子周り流れの直接数値計算を行った.レイノルズ数は150,マッハ数は0.3から1.2でNavier-Stokes方程式の直接数値計算を行った.今年度前半は計算格子などの準備を行い,テスト計算を行った.後半は本計算を実施し,粒子間の流体力学的干渉に対するマッハ数効果の影響を調べ,その結果を2件の国内学会で発表した.数値計算の結果より,粒子間の流体力学的干渉により再循環領域や衝撃波の構造が大きく変化し,特に,斜め配置の場合は下流側粒子の片面が上流側粒子の影響を強く受けるために流れ場の非対称性が強いことを明らかにした.粒子の位置関係の効果に関しては,位置関係に応じて流体力学的干渉による見かけ上の力で粒子が接近するか離れるかが変化する.また,低マッハ数条件では干渉による影響は小さいが高マッハ数条件ではその影響が強い.特に,並列配置の場合はマッハ数0.95ではマッハ数0.3の場合と比較して見かけ上の引力が3倍となり,流れ方向に粒子が集まりやすいことを明らかにした.また,当初予定にはなかったが,埋め込み境界法を用いて2粒子と垂直衝撃波の干渉現象の計算を行い,衝撃波の通過に対する粒子の非定常応答における粒子間干渉の影響を共同研究で調べ,1件の国内学会発表を共著者として行った. 実験による研究に関しては,新規に導入した高輝度白色光源を用いて低圧環境下でシュリーレン可視化を行い,これまで利用してきた光源と比較して大幅に感度を向上できることを確認した.また,これまでの研究で用いてきた光学系による実験結果を筆頭著者として英文学術雑誌に投稿し,受理済みである. モデル化については,以前から共同で行っていた粒子抵抗モデルの改良を完了させ,共著者として国際学術雑誌に投稿し,掲載済みである.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初,令和3年度は数値計算と衝撃波管を用いた実験により粒子間干渉の現象解明を行う予定であったが,数値振動や複数物体の取り扱いの部分で問題が生じ,数値計算の実施までに想定より時間がかかった.また,粒子間距離の影響を比較的小さい距離で調べたため,高解像度の計算格子が必要となり当初の想定よりも計算資源と計算時間が必要となった.実験については,新規に導入した高輝度白色光源を用いた低圧環境におけるシュリーレン可視化のテストにとどまり,粒子間の流体力学的干渉を調べる本格的な実験については着手できなかった.
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度となる令和4年度は,令和3年度までに行ってきた直接数値計算による研究を継続する.粒子間距離や角度についてケース数を増やし,モデル化に必要なデータを収集する.一連の計算で得られた結果を解析し,粒子間の流体力学的干渉に関する基礎的な知見として学術雑誌に投稿する. 実験に関しては,衝撃波管を用いた粒子クラスターと垂直衝撃波の干渉実験により,圧縮性流れにおける粒子クラスターの振る舞いを調べることで,粒子間の流体力学的干渉について実験的に調べる.特に,数値計算での実施が難しい粒子間距離が小さい場合を対象とする予定である. 干渉の影響のモデル化に関しては,粒子間に働く見かけ上の引力・斥力とマッハ数や粒子間距離,角度の関係を適切な関数でモデル化する.
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルス感染症の影響で参加を予定していた学会へのオンサイト参加ができなかったため,旅費が大幅に削減された.余剰分はデータストレージや計算機の増強に回したが,3月中旬に開催された2021年度衝撃波シンポジウムも直前でオンライン開催となり,確保しておいた旅費が余剰となった.また,今年度行う予定だった実験を実施できておらず,ヘリウムガスなど実験に必要な消耗品の購入を行えていない.そのため,今年度の余剰分については,来年度に行う実験の費用に当てほか,当初予定していなかったオンラインの研究集会や学会への参加費に当てる.
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Research Products
(5 results)
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[Journal Article] Supersonic and hypersonic drag coefficients for a sphere2021
Author(s)
Loth, E., Daspit, J. T., Hanrahan, G., Jeong, M., Nagata, T., and Nonomura, T.
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Journal Title
AIAA Journal
Volume: 59
Pages: 3261-3274
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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