2021 Fiscal Year Research-status Report
あらゆる作動流体に適応可能な微小領域における温度速度場定量可視化手法の開発
Project/Area Number |
21K14077
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Research Institution | Aoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
石井 慶子 青山学院大学, 理工学部, 助教 (80803527)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 流れの可視化 / 温度速度同時計測 / 温度場計測 / 複雑流体 |
Outline of Annual Research Achievements |
磁性流体は大変複雑な挙動を示すため,数値計算による流れ場解析は困難な点が多い.数値計算の結果の検証のためにも,実験的に流れ場におけるクラスター構造を把握することは重要だが,磁性流体は微細な黒色の磁性粒子が高密度に分散されているため,光学的な流れ場の可視化が困難である.そこで,蛍光標識したマイクロカプセル中に磁性粒子を封入することで,流れ場の定量可視化計測を行ってきた.本研究では,これらの温度速度同時計測法を試みる. マイクロ粒子内部に封入する芯物質にPCM としてガリウム,磁性材料として共沈法で調製した酸化鉄粒子(Fe3O4)を用意した.ガリウムを融解させた後,表面をオレイン酸修飾した酸化鉄と混合し,粉砕したものをマイクロ粒子芯物質とした.球状の粒子が合成され,内部に鉄とガリウムが同時に含まれていることを確認し,ゾルゲル法によりガリウムと鉄のコンポジットマイクロ粒子を合成することに成功した.無機物のみで作られた粒子は高い熱伝導率を持ち,不燃性といった種々の利点がある.シリカ被膜表面に蛍光色素を焼成することで流れ場の可視化が可能となった. また,温度速度同時計測の前段階として磁性粒子クラスターの流れの特徴について観察研究を行った.特に磁場印加位置付近において,種々の流速,磁場印加強度,粘度での磁性マイクロカプセルのクラスター形成と崩壊挙動を可視化し,特性を明らかにした. 温度速度同時計測の準備として,色素の選定を行い,分光器を用いてスペクトルの温度依存性を調査した.波長の分離性の高い候補を選定した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまで合成例のない無機カプセルの合成に成功した.高輝度なセンサー物質の選定することができた.
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Strategy for Future Research Activity |
合成した粒子を既知の熱流動場に分散させ,計測精度を明らかにする.この上で,実際に複雑流動場の温度速度同時計測を行う.
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルスの影響により出張旅費が必要なくなった. 顕微鏡システムを購入したが,複数見積もりにより当初の計画より安く購入ができた.
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Research Products
(22 results)