2021 Fiscal Year Research-status Report
Optimal Designing of Tidal/Ocean Power Generator by Machine Learning Architecture
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21K14081
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Research Institution | Hakodate National College of Technology |
Principal Investigator |
藤原 亮 函館工業高等専門学校, 生産システム工学科, 准教授 (70791375)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 海洋発電機 / 機械学習 / 深層学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
既に事業補助期間の前年度である令和2年度に全結合ネットワークによる海洋発電機まわりの流速場から設計値の予測ができる機械学習アーキテクチャを構築していた.これを論文にまとめ,国際ジャーナルであるIntelligent Systems with Applicationsに投稿し,内容が採択され掲載された. 事業補助期間である令和3年度には全結合ネットワークによるアーキテクチャの入力データ形状を改変し,3次元的に観測した海洋発電機まわりの流速場を模したデータ,すなわち2方向から観測された2次元流速場を模したデータにより学習できることが示された.2方向から流速場を観測することにより,観測データのノイズに対する出力データの誤差の増加を抑えることができた.加えて,畳み込みニューラルネットワーク(CNN)により海洋発電機まわりの流速場から設計値を予測できる機械学習アーキテクチャを構築した.CNNで流速場から設計値への予測を行ったことにより,ニューラルネットワークが流速場のどの部分に着目しているかが把握できる活性化フィルタを把握することが可能となった.同時に,性能値を測定するため,ミニチュアモデルによる海洋発電機まわりの流速場測定実験系の整備を行った.これで目指すアーキテクチャの全体像である「境界条件および設計値→流速場→性能」のうち,設計値と流速場の関係を予測するアーキテクチャを構成でき,全体像の完成へ向け次なる一歩を踏み出すための基盤ができた. 令和3年度中には以上の研究結果,およびそれ以前の年度の研究結果を異分野の専門家や企業関係者に発信できるように取りまとめ,株式会社リバネスが主催する学会である「超異分野学会」で発表した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
既に事業補助期間の前年度である令和2年度には,全結合ネットワークによる海洋発電機まわりの流速場から設計値の予測ができる機械学習アーキテクチャを構築していた. 更に令和3年度には,令和2年度に構築した全結合ネットワークによるアーキテクチャの入力データ形状を改変し,3次元的に観測した海洋発電機まわりの流速場を模したデータ,すなわち2方向から観測された2次元流速場を模したデータにより学習できることが示された.2方向から流速場を観測することにより,観測データのノイズに対する出力データの誤差の増加を抑えることができた.加えて,畳み込みニューラルネットワーク(CNN)により海洋発電機まわりの流速場から設計値を予測できる機械学習アーキテクチャを構築した.CNNで流速場から設計値への予測を行ったことにより,ニューラルネットワークが流速場のどの部分に着目しているかが把握できる活性化フィルタを把握することが可能となった.次なる進捗を生み出すためには,また新たな仕組みを機械学習アーキテクチャに導入する必要がある.Generative Deep Learningという既に創作で用いられている技術を取り入れながら,研究を推進していきたい. 同時に,性能値を測定するため,ミニチュアモデルによる海洋発電機まわりの流速場測定実験を行うべく,一方向流再現のための実験用水槽の設計,ならびに水槽へ流れを送る配管・ポンプの選定および発注を行った.令和3年度中に,特注品である実験用水槽の発注は完了し,運営費交付金で発注した配管・ポンプも既に納品されている状態となった.以上の実験環境の整備は順調に進んでおり,今後は性能値データを測定できるよう実験系の構築を進める.
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Strategy for Future Research Activity |
海洋発電機のミニチュアモデルの性能を検証するための実験系を構築する.既に学内の水工学実験室に搬入済みである一方向流再現のための実験用水槽を組み立てる.水槽,水槽に流れを送る配管・ポンプ,および水槽を設置する架台を順次組み立てていく.その後,ミニチュアモデルを3Dプリンタにより作成し,実験用水槽内に配置して,高速度カメラによる2方向からの撮影で流れ場を3次元的に観測する.流速場と海洋発電機性能をデータ化し,機械学習によりこれら多変量の解析を行うことができる. 令和2年度および3年度に作成した機械学習アーキテクチャにより海洋発電機まわりの流速場から設計値への推論が可能となったため,逆問題となる設計値から流速場への推論が可能となる機械学習アーキテクチャを設計する.Generative Deep Learningという絵画や小説といった創作物の出力にも使われている技術を応用し,数個の値のデータセットである設計値から数千~数万個の値のデータセットである流速場への出力を実現する.また,令和3年度に構築した畳み込みニューラルネットワーク(CNN)の活性化フィルタを解析し,流速場のどの部分に着目しているかを示す特徴量を明らかにし,設計値から流速場への予測に役立てる.
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Causes of Carryover |
当初は設備備品に相当する高価な機材で遂行できると考えられた実験を,既存の機材や安価な機材の組み合わせで行えたため,設備備品費と消耗品費が想定より少なく収まった.一部の機材は納品が遅れたため次年度である令和4年度に執行予定である.「超異分野学会」への学会旅費については他の予算から補ったため,本予算からの支出は生じ無かった.以上の理由により,次年度使用額が生じた.
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Research Products
(2 results)