2021 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
21K14084
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
大島 逸平 東北大学, 流体科学研究所, 助教 (40851845)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 光学実験 / 液膜微粒化 |
Outline of Annual Research Achievements |
ガスタービンの経験則的開発手法からの脱却のため、微粒化制御技術の確立が求められている。これまで、申請者はガスタービン噴射弁より噴射された液膜流が、気流により変形微粒化して液滴に至る過程を不安定性理論に基づきモデル化することで、噴霧液滴の平均粒径の予測を行った。 しかし、この分裂機構の1つである、液膜が袋状に拡がり分裂するバッグ分裂からできる液滴径分布がどのように決定されるのか明らかではない。そこで本研究では、バッグ部の液膜厚さの空間分布に着目し、バッグの分裂メカニズムおよび、バッグ分裂起因の噴霧液滴の粒度分布の決定メカニズム解明の実現とともに機構論的バッグ分裂モデルの構築に挑戦する。
本研究では、液膜厚さの空間分布を定量的に測ることが重要である。そこで、今年度は液膜の厚さ分布を計測するために使用する光学系の検討を行い、背景型シュリーレン法の導入を進めている。構築した光学系をもちいて透明な物質の厚さを計測できるのかどうかを明らかにするため、ガラス板、アクリル板、シャボン膜を用意し、それらのシュリーレン画像を撮影した。
また、計測したシュリーレン画像を処理するコードを作成するにあたり、シュリーレン画像をもとに厚さを算出する方法について検討を進めている。これらの検討をもとに、画像処理コードを作成し、どういった条件であれば今回検討する方法で液膜厚さを計測できるか、その計測限界がどこにあるのか調査を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定では、液膜厚さの定量評価のために、干渉計を用いた実験を検討しており、今年度前半はその系での実験を念頭に準備を進めていた。噴霧を計測するにあたり、様々な要因により干渉計で本研究を遂行することは難しいことが分かった。そのため、当初予定していた干渉計を用いた実験方法ではなく、可搬性、調整代を考慮して、背景型シュリーレン光学系を導入することとした。システムの選定後、業者の協力もあり部品選定を速やかに進めることができたため、そこまで遅れがなく計画を進めることができている。
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Strategy for Future Research Activity |
シュリーレン画像をもとに、ガラス板、アクリル板などの透明材の厚さを算出できるか確認する。次に、シャボン膜などの矩形の液膜を作成し、その膜厚さの分布を可視化し、液膜厚さを定量評価できるかを明らかにしていく。これらの確認が済み次第、液膜の空間分布とそれに対応する破断液膜の収縮過程の可視化を進めていく。
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Causes of Carryover |
研究に使用する予定の高速度カメラの調達が今年度うまくいかなかったため、次年度に繰り越している。次年度頭に繰り越した予算を用いて高速度カメラの調達を行い、可視化光学実験に使用する予定である。
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Research Products
(4 results)