2021 Fiscal Year Research-status Report
環境と自己機能評価に基づき柔軟な意思決定が可能な生活支援ロボット
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21K14102
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
萬 礼応 筑波大学, システム情報系, 助教 (40781159)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 行動・動作計画 / 未知環境探索 |
Outline of Annual Research Achievements |
生活支援ロボットの研究が盛んに行われ、要求されるタスクも複雑になりつつある。ロボットが複雑なタスクを実行するためには、周囲の状況を解釈して、目標の状態になるように、移動やマニピュレーションなどの行動・動作を適宜選択(意思決定)し、行動を切替える際の動作をシームレスに実行できる必要がある。このTask and Motion Planning (TAMP) において、事前に定義された知識に基づき、動作フローを生成するアプローチが提案されているが、状況に応じた柔軟な意思決定/行動選択、計画された動作フローをシームレスに実行することは難しい。本研究では、ロボットが有する要素機能を実行可能な空間と行動の目標動作空間をつなぐように経路/軌道計画を行うことで、柔軟に意思決定/複数の行動から計画された動作フローをシームレスに実行可能な行動・動作計画フレームワークを提案し、実機検証を行うことを目的とする。 2021年度は、先端にRGB-Dカメラが付いたマニピュレータを搭載した移動マニピュレータ型ロボットの未知環境での3次元環境地図の自動生成を対象として、行動・動作計画手法の提案を行った。テーブルやいすなど様々な高さの物体が存在する人の生活環境において、より早く、正確に3次元地図を生成するためには、未観測な領域を定義し、観測のための移動目的地およびカメラ姿勢を計画する必要がある。本研究では、環境に対しての行動の目標空間を、ある位置・姿勢で未観測な領域を観測可能な量を記録した観測量マップで表現し、未知環境探索のための目標位置とカメラ姿勢を観測量マップに基づき逐次決定する方法を提案した。未観測領域を多く観測できるようにカメラの位置・姿勢を変化させながら移動すること、テーブルの下などにはアームの姿勢を低くしながら移動する行動により、効率的な探索行動が実現できることをシミュレーションにより検証した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
行動・動作計画の一例として、RGB-Dカメラを先端に搭載した移動マニピュレータ型ロボットの3次元環境地図自動生成のための未知環境探索問題を検討した。人の生活環境のようにテーブルやいすなど様々な高さの物体が存在する環境において、より早く、正確に3次元地図を自動的に生成するためには、作成中の地図に対して、未観測な領域を定義し、観測のための移動目的地およびカメラ姿勢を計画する必要がある。本研究では、環境に対しての行動の目標空間を、ある位置・姿勢で未観測な領域を観測可能な量を記録した観測量マップで表現し、未知環境探索のための目標位置とカメラ姿勢を観測量マップに基づき逐次決定する方法を提案した。ロボットが未観測領域を多く観測できるようにカメラの位置・姿勢を変化させながら移動すること、さらに、テーブルの下などにはアームの姿勢を低くしながら移動する行動により、より早く、効率的な探索行動が実現できることをシミュレーションにより検証した。本研究成果を国内会議1件で公表した。また、査読付き国際会議1件に採択され、発表予定である。また、実機検証に向けて、移動マニピュレータ型ロボットも製作中である。
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Strategy for Future Research Activity |
行動・動作計画の一例として、RGB-Dカメラを先端に搭載した移動マニピュレータ型ロボットの3次元環境地図自動生成のための未知環境探索問題を検討した。環境に対しての行動の目標空間を、ある位置・姿勢で未観測な領域を観測可能な量を記録した観測量マップで表現し、未知環境探索のための目標位置とカメラ姿勢を観測量マップに基づき逐次決定する方法を提案し、シミュレーションにより検証した。 しかし、すべての動作空間を探索している現在の手法では、計算時間を非常に要することを確認した。すべての空間を探索するのではなく、ランダムなサンプリングと不確かな情報を考慮した確率的な補間手法を適用し、高次元な行動空間の中で効率的に行動フローを生成する手法へ拡張する。また、ロボットが移動することにより新たな観測情報が得られるため、情報が動的に変化する場合にも柔軟に対応可能な行動フロー更新手法へ拡張する。また、地図生成だけでなく、片付け動作などより複雑なタスクへの拡張および適用する方法を検討する。さらに、シミュレーションだけではなく、製作中の移動マニピュレータロボットを用いて、実機検証を実施する。
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