2021 Fiscal Year Research-status Report
車輪の沈下を有効に利用したロボット群の協調による不整地軟弱走行の実現
Project/Area Number |
21K14105
|
Research Institution | Suwa University of Science |
Principal Investigator |
藤原 大佑 公立諏訪東京理科大学, 工学部, 助教 (90868184)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | Push-pull locomotion / 軟弱地盤 / テラメカニクス / 群ロボット |
Outline of Annual Research Achievements |
軟弱地盤上において積極的な車輪沈下・支持を利用した,ロボット群の移動を実現するにあたり,先行研究の群ロボットの知見を基にロボットの構想を練った.2021年度は,主に,尺取り虫移動が可能なモジュール型ロボットの全体設計や結合機構の検討,およびその試作を行った.また,走行地盤環境の整備と簡易的な走行試験を行った.以下に内容を報告する. ・モジュール型ロボットの設計に関しては,当初予定していたロボットの仕様では,複雑な機構であったため,小型ロボットとして製作するのには難易度が高いことがわかった.そこで,移動シーケンスについて改めて検討を行い,伸縮ユニットの数や車輪の数,結合ユニットの数の検討を行った.車輪の数を削減し,スタビライザを搭載した2輪ローバとし,結合機構と伸縮機構はそれぞれ2つずつ,回転機構については1つとして設計を行った.また,モジュール同士の結合機構については,特に,伸縮と吸着,保持について検討を行った.伸縮機構については,小型リニアアクチュエータを設計し,製作を行った.伸縮に関しては設計した機構にて問題なく動作できることを把握した.吸着については通常のマグネットで実現し,保持については電磁石を用いることで機能が満たされることがわかった.・走行試験に関しては,まず,珪砂を用いた走行環境の整備を行った.構築した地盤を用いて,平面に限定して設計したモジュールを用いて走行試験を行い,定性的に評価を行った.実験結果は,単体の走行性能が低いことを示した。一方,台数を増加することで走行性能が向上できる可能性があることを走行試験から把握できた.また,試作したテストベッドにおいて,伸縮・結合機構を用いて,尺取虫移動が可能であることが把握できた.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
モジュール型ロボットの設計・試作を実施し,テストベッドを用いて簡易的ではあるが,平面上にて走行試験の実施をした.設計したテストベッドの単体の走行性能が把握できた.また,複数台で走行性能に変化が現れる可能性が把握できた.設計した伸縮,結合機構にて尺取虫型の移動ができることが把握できた.今後,複数台での移動を検証するための基礎となる単体の形状を考案でき,簡易的な走行試験の実施に至ったため.
|
Strategy for Future Research Activity |
2022年度は,2021年度で試作したテストベッドを基に,引き続き単体の場合と複数の場合の走行性能の評価を実施し,斜面上での走行も合わせて評価を定量的に行っていく.また,結合機構を搭載した状態で走行試験を行い,結合機構の評価を同時に行っていく.さらに,着脱についても検討を行い,着脱機構もしくはロボット同士のモーションによる着脱の実現を目指す.評価・走行試験の結果からテストベッドの改良を行う予定である.
|
Causes of Carryover |
機関の予算で購入した部品を流用できたため,減額が可能となった.また,前年度はセンサを用いた定量的評価までは実施していないため,評価に用いる関連機器の購入が生じなかったためである.また,想定した学会への参加を次年度以降に見送ったためである.次年度は走行試験や結合部の評価を引き続き行うため,評価に使用する関連機器の購入および,改善が生じた際のテストベッドの改良部品の購入に使用する予定である.
|