2021 Fiscal Year Research-status Report
コンポーネント化したテクスチャ構造を有した多層構造流体指の開発
Project/Area Number |
21K14116
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Research Institution | Muroran Institute of Technology |
Principal Investigator |
藤平 祥孝 室蘭工業大学, 大学院工学研究科, 助教 (40783379)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ロボット指 / ロボットハンド / 流体指 / ソフトロボット / テクスチャ構造 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,流体層と剛体層から成る二層構造流体指内部にテクスチャ構造を付した流体指を実システムへの適用を目指し研究を行っている.まずは,指内のテクスチャや内圧が把持性能に与える影響等について明らかにし,対象物体やタスクに応じた内圧の制御方策やテクスチャの設計を提案することを目的としている. 令和元年度の成果の1つ目は,内部のテクスチャ構造や内圧が物体把持にどのような影響を与えるのかについて把持耐力という指標に着目をして検証を行った.今回着目した把持耐力とは,その把持を維持し続けられる最大の外力(例:把持できる最大の重量)のことであり,把持性能を評価する基本的な指標である.これを評価するために製作した指をアクリル板に3.7Nで押し付け接線方向の力を負荷していき滑りだしたときの力を計測した.実験の結果,どの指も7-10Nの間で把持耐力を示し,形状や内圧によって若干の差が確認できたが,設定している全ての条件での実験や統計解析はまだ行えていない.今後は,未実施の条件の実験と統計解析を行い,メカニズムの調査やモデル化について検討していく予定である.2つ目は,対象物体の様々な姿勢や形状に対応できるピンアレイ機構を応用した可変テクスチャ構造の提案と試作である.ピンアレイ機構は離散的に物体になじむことができ,ジャミンググリッパのようなソフトメカニズムよりも機構的な剛性が高く幾何学的に物体を拘束できるメリットがある.一方で,機構的に複雑になり,小型・軽量化が難しい,離散的な接触のため集中荷重が発生するといったデメリットがある.これらのデメリットは,弾性要素としてゴム膜を用いた機構と流体指内にピンアレイ機構を設置することで解決し,対象物の形状や姿勢に応じてなじみ拘束する可変テクスチャ構造を実現した.今後は,実システムへの実装を念頭にした機構のさらなる小型化や性能評価を実施する予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の計画では,昨年度と本年度前半で内圧が把持性能に与える影響について検証し,データを解析し,制御方策について検討する予定であった.このうち,基本的なパターンのテクスチャ構造を有した実験用の指で検証実験を行っているが,まだ設定した全ての条件で実験を行えておらず,データの解析も途中であり,当初の予定より若干遅れ気味である.今年度前半で,残りの実験と解析を行い,制御方策について検討していきたいと考えている.そのため,進捗については,やや遅れている状況であると判断した.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,引き続き内圧が与える影響について残りの実験条件で検証と解析を進め,タスクに応じた制御方策についても検討する.制御方策の検討に伴い対象のタスクのモデル化についても検討する必要がある.また,実システムへの適用には単一のテクスチャ構造では難しい状況もあるので,並行して可変テクスチャ構造のような新たなテクスチャ構造についても考案し,その性能についても検証を進め,テクスチャ構造指の一般化したモデルの提案についても検討していきたい.これらの検証を進める実験装置の準備も行う.ただし,今後の進捗よっては,内圧の検証実験やその制御方策の検討に注力して進めていきたいと考えている.
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Causes of Carryover |
本年度に購入を考えていたセンサ等が感染拡大等の影響により,本年度中の入手が困難となったため,次年度での購入を予定している.
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