2021 Fiscal Year Research-status Report
漏えい磁界高調波ゼロを実現するワイヤレス給電用高周波電源の開発
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21K14139
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
日下 佳祐 長岡技術科学大学, 産学融合トップランナー養成センター, 特任講師 (40826202)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 線形増幅器 / パワーエレクトロニクス / マルチレベルインバータ / ワイヤレス電力伝送 / ワイヤレス給電 / 漏えい電磁界 |
Outline of Annual Research Achievements |
ワイヤレス給電システムから生じる漏えい磁界による周辺機器の誤動作を防ぐため,CISPR(国際無線障害特別委員会)では150kHz~30MHzの漏えい磁界ガイドラインを最大30dB程度厳格化することが検討されている。本問題に対して,本研究は大電力ワイヤレス給電システムから生じる漏えい磁界を国際規格(CISPR11)未満に抑制しつつ,大電力化を実現することを目的とし,漏えい磁界を抑制可能な新たな高周波電源回路トポロジーを開発した。本回路は,正弦波電圧を出力することで,漏えい磁界の原因となる電流高調波成分を発生させない点に特徴がある。 2021年度は最初に,新たな高周波電源トポロジー用の制御用コントローラ・ゲート駆動回路の一次試作及びその改良を行った。新たなトポロジーでは,半導体デバイスのゲートにアナログ電圧を出力,かつこれを高速に制御する必要がある。本機能を実装した制御用コントローラ及びゲート駆動回路の一次試作を実施した。一次試作機を用いた検証により,正弦波電圧を出力可能であることを明らかにした。しかしながら,制御内に絶縁回路が原因の遅延が生じることから,動作可能な最大周波数が20kHz程度に成約されるという課題が抽出された。これを踏まえ,制御機の構成を変更することで高周波まで動作可能なよう回路構成の改良を図った。 上記に加えて,新たなトポロジーの高周波電源試作機(30kW)を開発した。開発した試作機に対して定格電圧1/2の印加試験を実施し,回路の破壊がないことを検証した。しかしながら,デバイスの冷却に課題があり,連続運転時の半導体チップ温度が急激に上昇するという課題が発見され,冷却方式を変更するなどの改良を実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
開発対象である新たな回路トポロジーを有する高周波電源回路及び,本回路用コントローラ・ゲート駆動回路の一次試作機の開発が完了した。当初予定に従って,これらの回路の評価を実施し,それぞれの試作機の課題抽出及び,改良を実施するに至っている。このことから,おおむね順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
一次試作機を用いた試験により,本研究の目的である新たな回路トポロジーを用いた高周波電源実現に向けた課題が抽出できた。今年度は,本課題を解決し当初目標である30kW実機実証に向けた回路の改良及び二次試作機の開発を行う。
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Causes of Carryover |
電子部品の長納期化により,令和3年度内に購入予定であった部品の購入を次年度に持ち越すこととしたため。
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