2022 Fiscal Year Annual Research Report
漏えい磁界高調波ゼロを実現するワイヤレス給電用高周波電源の開発
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21K14139
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
日下 佳祐 長岡技術科学大学, 産学融合トップランナー養成センター, 特任講師 (40826202)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ワイヤレス給電 / 非接触給電 / 漏えい磁界 / マルチレベルインバータ / 線形増幅 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,電気自動車向け大電力ワイヤレス給電システムの実用化を目指し,大電力ワイヤレス給電システムから生じる漏えい磁界の抑制手法を開発することを目的とした。磁界を用いて電力を伝送するワイヤレス給電システムは,その原理上伝送システムの周辺に漏えい磁界が生じることが避けられない。しかし,漏えい磁界の高調波成分は周辺の電子機器の誤動作や,無線通信機器への混信などの原因となるため,国際ガイドライン(CISPR11等)により許容値が周波数ごとに定められている。 従来,金属や磁性体による遮蔽や,フィルタによる電流高調波の抑制手法などが取られてきたが,大電力化に伴って漏えい磁界抑制に伴う損失が増加し、大電力化とガイドラインへの適合が両立しない問題があった。 そこで、本研究では高周波電源から発生する電圧高調波成分をゼロとすることで,漏えい磁界低減と大電力化の両立を実現することを目指し,大電力化と漏洩磁界の抑制を両立が可能な新たな高周波電源回路トポロジーを開発した。この新回路トポロジーは,マルチレベルインバータと線形増幅回路の特性を組み合わせることで,高効率に正弦波電圧を出力可能なトポロジーであり,漏えい磁界の原因となる電流高調波成分をゼロとすることが可能である。 上記の電源回路トポロジーを有する高周波電源の試作機を開発し,ワイヤレス給電システムを接続して電力伝送試験を実施した。試験の結果,マルチレベルインバータの適用により,ワイヤレス給電システムから生じる漏えい磁界高調波を抑制可能であることを実証した。これにより、開発した高周波電源回路トポロジーが漏えい磁界低減技術として有効であることが確認された。 今後は,より高出力のワイヤレス給電システムへの適用や,二次側整流器に起因して生じる漏えい磁界高調波の抑制への応用が期待される。
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