2022 Fiscal Year Annual Research Report
電気推進飛行体向け超伝導バルク磁石型全超伝導同期モーターの磁化減衰抑制技術
Project/Area Number |
21K14144
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
三浦 峻 九州大学, システム情報科学研究院, 助教 (80804674)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 超伝導 / モーター / 磁化 / 同期機 / 回転機 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、従来の永久磁石より強磁場が着磁可能な超伝導バルクを界磁子とする軽量・高効率の全超伝導同期モーターの実現に向けて、「超伝導バルクの磁化減衰の抑制」という課題に取り組む。本研究の目的は、超伝導モーター運転時における超伝導バルクの磁化減衰を抑制する具体的な対策を提案し、その有用性・可能性を明らかにすることである。磁化減衰の抑制対策を複数講じ、それらを机上検討、解析、実験から定量的に評価する。 磁化減衰を抑制する対策案のひとつとして提案する電機子巻き線の改良を実施した。前年度において確認した、従来のレーストラック型コイルと比較して発生磁場分布が理想的な正弦波分布に近づいた台形型コイルを巻き線し、その巻き線手法を開発した。また、分布巻きにも挑戦し、その形状と巻き線手法を新しく開発した。それら新しく提案した電機子巻き線コイルの有用性等を机上検討および電磁解析により明らかにした。また、磁化減衰を抑制する対策案のひとつである超伝導電磁シールド(超伝導ダンパーシールド)の試作を実施した。さらに超伝導電磁シールドの効果を解析的に評価するための解析コードの基盤を開発した。超伝導バルクまたは積層型超伝導線材を界磁子とする全超伝導モーターの実負荷試験機の装置組み立ておよび試運転を実施した。今後、本研究期間に開発したそれぞれの要素技術を組み合わせ、超伝導モーターへ組み込み、実負荷試験機を使った実証試験を実施する予定である。本研究の成果は、軽量・高出力密度の超伝導モーターの開発に寄与し、それらを活用した電気推進飛行体の実現に貢献する。
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