2022 Fiscal Year Research-status Report
Challenge to Measurement Accuracy Improving on Battery Management System with Machine Learning
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21K14149
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Research Institution | Tokyo Denki University |
Principal Investigator |
佐藤 大記 東京電機大学, 工学部, 助教 (80772607)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 電池管理システム / セル監視回路 / 電気二重層キャパシタ / 蓄電池 / 機械学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年,様々な分野において電力貯蔵装置の需要が高まっており,これに伴い,内部に搭載される蓄電池を適切かつ安全に運用するための電池管理システムの需要も飛躍的に高まっている。電池管理システムには,各セル間の電圧のばらつきを補正するセルバランス機能と蓄電セルの状態を常時監視するセル監視機能が主として求められているが,これらの両立には蓄電セルの内部パラメータを高精度に取得しておく必要があり,実用上の課題となっていた。そこで本研究では,機械学習を活用することで動作中に蓄電セル内部パラメータを簡易かつ高精度に推定する手法の構築を目指す。 本年度は,機械学習を用いて内部パラメータを推定する手法について検討を行った。まず,電力変換回路用途で用いられている機械学習について文献調査を行い,適用可能性について分類整理した。文献調査の結果,教師あり学習とディープラーニングが本研究との相性が良いことが明らかとなった。そこで次に,学習モデルの構築に必要なデータ量が比較的少なく済む,教師あり学習の多重線形回帰を用いて内部パラメータ推定手法の構築を試みた。シミュレーションを用いてセンサやサンプリング周期による誤差要素を含ませた学習データを準備し,内部パラメータを推定する学習モデルを構築した。その結果,従来の理論式から内部パラメータを推定する手法と比較して,推定誤差を1/20程度に低減可能であることを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究実績の概要にて述べた通り,機械学習を用いることにより内部パラメータの推定精度を向上可能であることがシミュレーションベースで確認できた。しかしながら,当初実施予定であった実機実験ベースでの検証までは行えていない。これは,世界的な半導体不足による試験装置の納期延期により,環境試験器が導入できなかったためである。また,学習モデルの研究成果については公表を行えていない。以上の理由から,「やや遅れている」と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究にて得られた研究成果を国内外の会議にて発表し,研究成果の有効性検証を進める。また,今年度用いた多重線形回帰以外の機械学習についてもモデル構築を行い,推定精度について比較検討する。合わせて,実機実験での有効性の検証も行う。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由として,世界的な半導体不足の影響により環境試験器が納入できなかったこと,当初計画で予定していた研究調査をCOVID-19の影響により見送ったことが挙げられる。 試験装置については,早期の導入を目指す。また,国内外の状況を注視しながら,改めて本研究成果を国内外の会議にて発表するための費用に充てる。
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