2021 Fiscal Year Research-status Report
Long-range wireless power transfer with a sheet-like transmission medium
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21K14155
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
増田 祐一 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 特任研究員 (20856231)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 無線電力伝送 / 2次元通信 / 磁界結合 |
Outline of Annual Research Achievements |
柔軟なシート状伝送媒体を介して安全に大電力を供給可能な長距離無線電力伝送技術の確立が本研究の目的であり,本年度の研究では新構造の伝送媒体の性能を電磁界シミュレーションを用いて評価した.従来研究でのシート-受電端末間の電磁気的な結合は電界を主としたものであったが,これには水やカーペットなど誘電体の影響を強く受けることが課題であった.これを解決するため,新規にコイル状の構造を組み込んだシート状伝送媒体によって,磁場を主とした結合に成功した.これにより,水やカーペットの影響をほぼ受けないために屋外での利用も現実的となる.これら新構造シートは国内会議において2件の発表を行った. 磁場結合型の新構造シートと受電端末は,電磁界シミュレーション上で設計を行った後に,実際に試作し,性能を評価した.シミュレーションと同等の給電効率が確認できており,本研究課題で予定していた「磁場結合型の導波路無線電力伝送の実現可能性を調査する」タスクはほぼ完了した. 今後の研究では,屋外での利用や,金属ゴミが付近に存在している状況など,様々な状況での試作システムの性能を評価する.また,人体モデルを用いたシミュレーションを行い,安全性についても評価する.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
磁場結合に対応するためにコイル構造を組み込んだ新たなシート状伝送媒体の開発と,磁場結合に対応した受電カプラの開発が本研究の目的であり,それはおおむね順調に進展している.電磁界シミュレーションを用いた開発では,従来研究と比較し新構造シートは伝搬損失が少なく,磁場を介した電力伝送が可能であることが確認できている.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は実際に給電システムを試作しつつ,人体モデルを用いた電磁界シミュレーションによって安全性を評価する.既にいくつかのシート状伝送媒体と受電カプラの試作と評価は進んでいるものの,コイル構造等を申請者らが手作りで試作したために工作精度に課題があった.コイル加工業者に依頼しより高精度な試作を行い,電磁界シミュレーションでの結果と比較し評価する.発展的な課題として,直流を電磁波に変換する高周波電源,電磁波を直流に変換する整流回路を組み合わせ,無線給電システムを試作し,直流から直流までの給電性能を評価する.
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