2023 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21K14167
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
XIAFUKAITI ALIFU 千葉大学, 大学院工学研究院, 特任研究員 (30899092)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 非回折光 / 散乱媒質 / 環状光 / 光散乱 / 物体検出 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、高濃度散乱媒質中で生成された非回折光の自己修復性を利用した基礎研究に基づいて、修復された非回折光の強度分布変化による検出物体との相関を成立させ、散乱媒質中における未知物体の検知を実現することを目的とした。前年度において、散乱媒質中における物体検知は先行研究で発見した環状光の伝搬特性を用いて初成功した。今年度は、さらに環状光の一部が異なるサイズの物体で遮蔽されたとき、遮蔽物の位置や形状を推定することをシミュレーションと実験上で試みた。シミュレーションと実験では、散乱媒質中の遮蔽物を横軸と縦軸に移動させながら、散乱光の強度分布を解析した。横軸の移動において、散乱光に非回折効果が生じてから消滅するまでの両端が2点現れた。この2点間の移動量と遮蔽率の関係から遮蔽物横幅の大きさを推定し、最大遮蔽物のサイズが環状光の直径60%まで検出可能という結果を得た。縦軸の移動において、遮蔽物を光源側に設置した場合は実寸より20%に増幅が推定され、受光部側に設置した場合は実寸と等しい幅が推定された。遮蔽物の位置による違いは、環状光の伝搬特性によるものだと考えられる。環状光は、伝搬に伴って中心にピークを持つ強度分布に変化するため、遮蔽物の位置が受光部側のとき、中心ピークはすでに生成されており、片側のエッジ位置の推定において、狭い中心ピークの幅で分解能をもつ。媒質中での遮蔽では、中心強度比の増減が傾きの緩やかな線形的な変化を示し、光源側での遮蔽では、透過光が十数cm伝搬するため、中心強度比が小さくなる。このように、環状光を遮っていったときの中心強度比の増減の仕方は、伝搬方向における遮蔽物の位置を推測する指標になる。これは、散乱媒質中環状光の伝搬特性に由来し、環状光の伝搬と中心強度比の変化を結びつけることができれば、位置と大きさが未知な散乱媒質中の物体検出が可能になる。
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