2021 Fiscal Year Research-status Report
Development of High-Speed X-ray Imager using 10Gb Ethernet Transmission Data Acquisition System
Project/Area Number |
21K14174
|
Research Institution | High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
西村 龍太郎 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 博士研究員 (00828189)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | DAQ / SOIPIX / X線イメージング / 検出器 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題においては、二次元半導体検出器であるSOIピクセル検出器INTPIX4NAを用いたX線イメージャの開発を目指している。 このINTPIX4NAは17um正方画素を832×512ピクセル搭載した有効視野14×9mmの検出器であり、5-20keVの範囲のX線に対して高い解像特性を持つことから、申請者の所属するKEK放射光施設に置いても期待される検出器の一つである。 放射光施設での利用が可能なX線イメージャの完成に向けて、本課題では高速読み出しに対応するデータ収集システム基板とINTPIX4NA検出器のX線イメージャ用基板を開発し、これらを統合したカメラパッケージの構築を進めている。 目的達成に向けた今年度の研究実績は以下の通りである。 まず、検出器制御に用いる10GbE対応データ収集基板について、動作検証を実施し、検証内容を基に一部改修・追加基板の開発(次年度計画を前倒し)を行った。このデータ収集基板にはSOIピクセル検出器の制御・信号読出しを行うための各種入出力及び10GbEで通信するためのSFP+コネクタを搭載している。この基板に対して既存の他用途向けの検出器基板を組み合わせた検証用環境に置いては検出器の性能上限である350Hzでの連続撮像に成功したことを確認済みである(これは転送帯域換算で2.5Gbpsに相当する)。 また、このデータ収集基板を用いたX線イメージャのプロトタイプ設計を進め、これに基づいた検出器基板・冷却容器の開発を行った。本設計に置いては検出器搭載基板を真空容器内で冷却し、フィードスルーを経由して大気中のデータ収集基板と接続することとした。これに対応するINTPIX4NAを1素子搭載のX線イメージャ用基板を開発した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
FPGA基板ベースの10GbE対応データ収集基板については前年度(課題期間開始以前)より開発を開始しており、本年度に置いては動作検証を実施した。このデータ収集基板にはSOIピクセル検出器の制御・信号読出しを行うための各種入出力及び10GbEで通信するためのSFP+コネクタを搭載している。この基板に対して既存の他用途向けの検出器基板を組み合わせた検証用環境に置いて動作検証を実施した。検証の結果、検出器の性能上限である350Hzでの連続撮像に成功したことを確認済みであり、概ね意図した動作を得られているものと考えている。ただし、一部に改修の必要があり、また電源系にノイズ対策が必要と考えられたため、次年度計画を前倒しして追加基板の開発を行った。 X線イメージャのプロトタイプ設計に置いては検出器搭載基板を真空容器内で冷却し、フィードスルーを経由して大気中のデータ収集基板と接続することとした。そこで、INTPIX4NAを1素子搭載したX線イメージャ用基板と真空容器の開発を行い、本年度内は設計までの予定であったが計画を前倒しして初期試作品の製作まで完了した。
|
Strategy for Future Research Activity |
今年度はX線イメージャに必要となる各構成要素に関する開発を進めることが主であったが、次年度以降でこれらを統合したシステム全体での性能評価を実施し、ブラッシュアップを図っていく予定である。 現時点においては本課題は概ね計画通り、一部は前倒しで進めることができており、このまま進めればSOIピクセル検出器INTPIX4NAを用いたX線イメージャは計画年度中に完了できるものと考えている。ただし、昨今の半導体・電子部品の供給情勢を考慮すると、部品不足・調達遅延のために計画のままでは一部の計画が間に合わなくなる可能性が生じるため、今後はこれまで以上に開発のペースを早めるとともに、必要な部品の調達を基板製作に先行して前倒しで進める等の対応を行う。
|
Causes of Carryover |
本書類上の次年度使用額については一部物品が年度内の発注であったものの納期の都合により次年度納品となっていることによるものであり、本書類作成時点(次年度5月)に置いて既に納品が完了している。 なお、本発注は本課題による研究費(基金)で認められる年度を跨いでの発注を実施したものである。
|
Research Products
(6 results)