2021 Fiscal Year Research-status Report
人と機械の協調制御のためのデータ駆動による人の簡便な特徴量推定と制御系設計
Project/Area Number |
21K14181
|
Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
種村 昌也 信州大学, 学術研究院工学系, 助教 (10846885)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | 人間とロボット群の協調制御系 / データ駆動制御 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,人間とロボット群の協調制御系における人間の受動性推定を目的に,人間が正常に反応できる入力信号の周波数範囲を調査した.人間が正常に動作できる「範囲」の評価として「線形性」を用いた.まず適切な評価関数を設定し,入力信号の周波数を変化させ人間の線形性を評価した.従来方法では,一つの定められた周波数の入力に関して評価関数の値を計算するには複数の実験を行う必要があったが,周波数領域における線形性評価方法を導入することで一回の実験で一つの周波数に対する評価関数値を推定可能にした.実験の結果,低い周波数において人間は高い線形性を有していることが確認できた. また,協調制御系の制御性能を向上させるロボット群のグラフ構造の探索方法を提案した.今まで,協調制御系の安定性の議論はいくつかあったが,制御性能の向上を図るといった研究はほとんど見受けられない.これは,一般に閉ループ系の制御性能を向上させるためには人間をモデル化し,そのモデルに対して適切なロボット群を構築する必要があるが,人間の正確なモデル化は難しい場合が多いことに起因していると考えられる.そこで,データ駆動型制御器チューニングの考えを活用し,一組の実験データから人間のモデリングを介さずにロボット群のグラフ構造を探索する方法を提案した.具体的にはFRITの考えを応用し,理想伝達関数の出力に協調制御系の出力が近づくようなグラフ構造を探索した.数値シミュレーションにより,提案手法は一組のデータからグラフ構造が探索できることを示した.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初予定していた人間の正常に反応できる範囲を線形性という指標にて評価することができている.また,それに加え,ロボット群のグラフ構造の探索方法を提案し,制御性能の向上にも寄与することができた.
|
Strategy for Future Research Activity |
推定した人間の線形性に基づき,入力信号の周波数を制限した受動性推定手法を構築する.また,ロボット群のグラフ構造の探索において,ロボット群の出力のみを評価していたが,実際は各エージェントの収束の速さも考慮することが望ましい.そこで,ロボット群のグラフ構造を探索する際には,ロボット群のエージェントの収束の速さも制約に加え探索する方法を構築する.
|
Causes of Carryover |
コロナウィルス感染拡大に伴い,当初対面形式にて参加予定していた学会がオンライン形式で実施された. 次年度では,ロボット群の実験機構築を行う予定である.
|