2021 Fiscal Year Research-status Report
物理モデルとセンサデータに基づく省リソースな制御と通信方策の設計
Project/Area Number |
21K14184
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
橋本 和宗 大阪大学, 工学研究科, 助教 (60883361)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | システム制御 |
Outline of Annual Research Achievements |
制御対象とコントローラがネットワークを介し接続されるネットワーク化制御システムでは,アクチュエータに印加する操作量を決定する制御方策に加え,制御対象とコントローラが「いつ通信するべきか」という通信方策も適切に設計しなければならない. 本研究では,モデル化誤差を含むネットワーク化制御システムに対し,ネットワークを介した通信頻度を低減化する省リソースな制御と通信方策の設計を目指している. 令和3年度は,研究提案で掲げている3つの課題のうち,2つの課題に取り組んだ.1つ目の課題は制御システムの安定性などの理論研究を行うことである(課題I: 制御目的の達成を理論保証するモデル化誤差の学習法および制御と通信方策の新たな設計法を構築する必要があること). 特に,最適制御問題を各時刻で解くモデル予測制御に対し,制御対象のダイナミクスが未知のもとで,省リソースな制御と通信方策の設計手法を提案した.提案手法は既に学術論文に投稿済みである.2つ目の課題は,制御と通信方策の学習効率を改善することである(課題II: モデル化誤差の学習効率に配慮した方策を設計する必要があること). この課題については,方策勾配法の適用により既存手法に比べ学習効率を大幅に改善したアルゴリズムを提案した.そして,提案手法を学術論文に投稿した.加えて,複数のタスクを考慮した省リソースな制御系設計手法も提案し,IEEE Robotics and Automation Letters などの学術論文や国際会議に採録された.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本研究提案では3つの課題を掲げており,このうち本年度で2つの課題を克服することができた.1つ目の課題は,制御目的の達成を理論保証するモデル化誤差の学習法および制御と通信方策の新たな設計法を構築する必要があることである.令和3年度において,制御対象の振る舞いが未知のもとで,システムの安定性を理論的に保証する制御系設計を行うことができ,当該課題を克服できたと考えている.2つ目はモデル化誤差の学習効率に配慮した方策を設計する必要があることであり,本年度でその課題を克服し学術論文に投稿した. 以上から,当初の計画以上に進展していると思われる.
|
Strategy for Future Research Activity |
今後は3つ目の課題「制御と通信方策の逐次更新則を構築する必要があること」の克服を目指す.特に,Adaptive Dyamic programming の手法が適用可能と考えているので,関連論文などを調査していくつもりである.
|
Causes of Carryover |
令和3年度は国際会議等がオンラインとなり旅費が0円となった.令和4年度は対面での国際会議が複数予定されているので,その旅費に充てたり,シミュレーションの効率を上げるためのPCの購入に充てるつもりである.
|
Research Products
(8 results)