2021 Fiscal Year Research-status Report
動的スパースモデリング理論によるネットワーク系の最適ノードスケジューリング
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21K14188
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Research Institution | The University of Kitakyushu |
Principal Investigator |
池田 卓矢 北九州市立大学, 国際環境工学部, 准教授 (00848319)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ネットワーク化制御 / マルチエージェントシステム / スパースモデリング / 最適制御 / 省エネルギー |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,ネットワークを有する大規模系のための動的スパースモデリング理論を構築し,省エネルギーの観点から高効率なノードスケジューリング手法を開発することである.このため,2021年度はスパース性制約下における可制御性グラミアンの最大化問題について取り組み,その最適解の数理的性質の解明や高効率な数値解法の提案を行った.より具体的には,本問題がある最適制御問題として等価に表現可能であることを示し,これに最適制御分野の数学的道具である最大値原理を適用することで,最適解の必要条件を導出した.この性質にもとづき,凸緩和手法や確率的手法を用いた数値解法を導出した.その他,ネットワーク系の制御問題に関連して,自律分散制御やデータ駆動制御にも取り組んだ.エージェントの視野角制約に対応可能なフォーメーション制御則を記述し,またノード間の接続構造等が未知であっても制御の最適性を保障可能な観測データに基づく制御手法を与えた.
これらの得られた成果に関して,国際学術誌IEEE Transactions on Automatic ControlやIEEE Transactions on Control of Network Systemsなどに5件の論文が採録された.また,国際会議IEEE Conference on Decision and ControlやAmerican Control Conferenceなどでの5件の発表,および国内会議での2件の発表を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画通りに一定の理論的成果を導出しており,また制御分野の国際的なトップジャーナルやトップ会議にて多数の結果を発表しているため.
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Strategy for Future Research Activity |
本年度はいくつかの問題に対して,解析の容易化のためにある近似手法を採用したアプローチを行ったが,来年度にはこの近似を介さない最適化手法について検討する.この最適解の必要条件を導出し,また評価関数値や数値計算時間などの観点から近似手法との比較を行う.また,分散最適化手法などを取り入れた,より高速な計算アルゴリズムについて検討する.
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Causes of Carryover |
感染症の流行状況により,国際会議等が全て遠隔での開催となり,予定していた旅費を支出する機会を失したため.翌年度は数値計算手法の改善に取り組む予定であり,翌年度分と合わせて計算機の購入に使用する.また,最近は対面形式の会議も開催されるようになってきているため,状況に応じてそのための旅費に使用する.
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Research Products
(10 results)