2023 Fiscal Year Annual Research Report
Ferromagnetism in polycrystalline two-dimensional transition-metal chalcogenides and applications
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21K14193
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
宗田 伊理也 東京工業大学, 工学院, 助教 (90750018)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | スピントロニクス / 層状半導体 / ファンデアワールス強磁性体 / 4d強磁性体 |
Outline of Annual Research Achievements |
(1) 磁化の成膜温度依存性:磁化の成膜温度依存性を昨年度に引き続き測定し、主に高温条件で作製した試料のデータを得た。300℃から450℃にかけて、飽和磁化は増大傾向にあるが、500℃以上においては、ある試料では大きな飽和磁化を観測した一方、別の試料では小さい飽和磁化を観測することが多く、ばらつきが多い結果であった。 (2) 平面TEM:成膜温度が300℃, 400℃, 500℃の単層MoS2薄膜について、透過型電子顕微鏡による平面格子像を得た。300℃より400℃において結晶の周期性や均一性、結晶粒サイズが向上していたが、500℃においては、劣化傾向にあることを確認した。 (3) 磁化の温度依存性:冷却により磁化が大きく増大することを令和3年度に報告した。本年度において、温度を低温から室温へ上昇させると、ある温度で急に磁化が消失することを観測することに成功した。 (4) 磁化の層数依存性:磁化特性について、単層から4層までの磁化特性を測定し、層数の増加にともない飽和磁化が増大するデータを得ることに成功した。また、4層の飽和磁化は10層程度の試料と同じ体積密度であり、4層以降の層数においては、飽和磁化の体積密度は一定であると考えられる。 (5) トンネル磁気抵抗:高濃度ドープのシリコン基板を用いて、MoS2層を含むトンネル接合を作製し、トンネル磁気抵抗やトンネル異方性磁気抵抗の観測を試みている。まずはじめに、Ag/SiO2/n+Siのトンネル接合を作製し、トンネル抵抗の温度依存性とI-V特性およびdI/dV-V特性を測定した。トンネル抵抗が室温から8Kにかけて一桁増大することを確認した。また、SiとSiO2界面の空乏/蓄積層による非対称なdI/dV-V特性を確認した。
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