2021 Fiscal Year Research-status Report
Semiconductor device of graphitic carbon nitride film
Project/Area Number |
21K14194
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
浦上 法之 信州大学, 学術研究院工学系, 助教 (80758946)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 窒化炭素 / 層状物質 / ダイオード / 電界効果 |
Outline of Annual Research Achievements |
人と電気電子素子が共創する社会を目指し、例えば医学や農業科学などに適合する材料の実現に向けては、人や自然への調和性を実現する元素戦略が重要であり、毒性を含む元素の使用や化学安定性などの配慮が必要である。本研究では、これまでに光触媒として検討されてきた半導体性質のグラファイト状窒化炭素(g-C3N4)に着目した。これまでの検討から、層状物質であるg-C3N4膜の電流電圧特性から面内方向および積層(厚さ)方向にそれぞれ沿うの電荷輸送について、結晶方位に依存する電流異方性があることが分かっていた。その抵抗率は面内方向(< 5×10^6 Ωm)と積層方向(3×10^2 Ωm)で桁違いに異なっている。本研究では、それぞれの方向に沿う電荷輸送を利用した電気電子素子を試作し、その可能性について検討した。 g-C3N4膜の積層方向に沿う電荷輸送を利用したSchottkyバリアダイオードを試作し、性能は不十分であるが金属-半導体界面における344 meV のバリア高さをもつSchottky接触をCr電極により実現できた。また4H-SiCをn型材料とし、p型g-C3N4膜と組み合わせたpn異種接合ダイオードを作製した。電流-電圧特性は整流性を示し、層状物質とそうでない材料を組み合わせた界面において電荷の輸送を示唆した。面内方向に沿うキャリア輸送を制御するために、金属-絶縁体-半導体構造を試作した。積層方向に沿う電圧Vg ≧ 0のときは面内方向に沿う電荷輸送を示唆する電流が得られなかった。その一方で、Vg < 0のときに面内方向に電流が得られた。負のVg 印加により絶縁体/半導体界面において正孔の蓄積を誘起し、面内方向に対する自由正孔を発生させることができそれらの輸送が実現できたと考えられる。電流値は、検出限界の10^-12 A以下から2桁程度変化させることが出来きた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
g-C3N4膜の積層方向および面内方向に沿う電荷輸送について、それぞれ利用した素子の作製に成功した。また再現性も得られているため、おおむね順調に進展していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
面内方向に沿う電流のON/OFF比をさらに増加させるために、電極配置や誘電体の変更を予定している。また相補型素子への展開のために、素子作製工程の構築を予定している。
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Causes of Carryover |
物品購入により端数が生じたため、比較的少額であるが次年度使用額(B-A)が0より大きくなった。次年度に消耗品の捻出に使用する予定。
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Research Products
(17 results)