2022 Fiscal Year Research-status Report
人間の感覚に影響を与えずに動作可能な圧力センサーの開発
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21K14204
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
李 成薫 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 講師 (80873132)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 圧力センサ / スキンセンサ / 電界紡糸法 / 皮膚感覚 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は、人間の感覚に影響を与えずに動作可能な圧力センサーの開発を目的とし、人間の本来の行動や動作を正確に計測する手法を確立する。昨年度は、電界紡糸法にて製造するナノファイバシートを多層化することで容量型圧力センサーの作製手法を確立した。中間層の機械特性を系統的に制御することで、世界最高水準の感度(1kPa当たり14.1%の容量上昇)を得ることに成功した。さらに、皮膚にセンサーを貼り付けた際に把持力に与える影響を定量的に評価したところ、貼り付けていない把持力に対して有意差を生じないことを確認した。今年度は、極薄性を維持しつつ、機械的耐久性を確保するための検討を進めた。具体的には、ポリウレタンナノファイバからなる極薄ナノメッシュ保護膜を作製し、ナノファイバの物質透過性を活かし、表面から水溶性高分子(ポリビニルアルコール)ナノファイバを溶解・含侵させた。その結果、非常に高い摩擦耐久性を実現することに成功し、100キロパスカル以上の力でセンサの表面をこすっても壊れないことを実証した。また把持力試験において、わずか2ミクロン高分子の連続フィルムを指に貼り付けるだけで把持力が14%上昇してしまうことに対して、今回開発した保護膜付きセンサは指に貼り付けても把持力が変動せず、皮膚感覚を維持できることを定量的に実証した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題では、人間の感覚に影響を与えずに動作可能な圧力センサーの開発を目的としている。今年度は、ナノメッシュ構造を活かした感圧部に加えて、極薄ナノメッシュ保護膜を開発することで、皮膚感覚を維持するための極薄性と極めて高い摩擦耐久性の両立に成功している。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度は、摩擦耐久性に加えて伸縮性を付与するための検討を行う。伸縮可能な電極にするためのゴム材料の塗布や指先の皮膚の変形を用いた力の計測等を実施する。摩擦が生じる場面においても指の上で動作するための機械的耐久性を確保する。
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Causes of Carryover |
共用設備を活用し、また小型の計測モジュールを直接組み立てることで、当初購入を予定していた計測機器(LCRメータ)の購入をせずに研究を遂行することができた。次年度は、伸縮性を付与するための新規材料やプロセスの検討に研究費を使用する。
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Research Products
(3 results)