2021 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
21K14208
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
白根 篤史 東京工業大学, 工学院, 助教 (40825254)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 超小型衛星 / 無線通信 / フェーズドアレイ / CMOS / ミリ波 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、超小型衛星による次世代の高速衛星通信の実現に向け、小型・軽量、そして姿勢制御不要な全方位通信が可能な球型フェーズドアレイ無線機を、折り畳み可能な多面体をフレキシブル基板で構成することによって実現を目指している。任意の球面に同相な多面体は、平坦に折り畳み可能であり、打ち上げ時には畳んでおき、軌道投入後に大きく開くことが可能な球面展開型フェーズドアレイ無線機の研究を行った。多面体を構成するために、折り曲げ可能かつ高周波特性に優れるLiquid Crystal Polymer (LCP)フレキシブル基板を用いて、アンテナおよび高周波回路の構成を検討した。折り曲げ可能なアンテナの設計、試作評価を行ったのち、LCP基板を用いてフェーズドアレイ無線機を作成した。作成した無線機は、折り曲げ可能かつ、無線通信信号の送受信やビームフォーミングといったフェーズドアレイの基本動作を確認することに成功した。また、フレキシブル基板上の折り曲げ線をまたいで配線することができないため、パッチアンテナとフェーズドアレイICの接続のワイヤレス化を検討した。球面の中心に無指向性のアンテナを配置し、オンチップアンテナを搭載したフェーズドアレイICを用いて電波の送受信を行うために、フェーズドアレイ型リレーICの設計、試作評価を行った。試作したリレーICは、無線電力伝送を用いた電源によって動作し、かつ無線通信信号のリレー機能を実現することに成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでに、折り曲げ可能かつ高周波特性に優れるLiquid Crystal Polymer (LCP)フレキシブル基板を用いて、アンテナおよび高周波回路の構成を検討した。実際に折り曲げ可能なフレキシブルアンテナの設計、試作評価、さらにフェーズドアレイ化を実現した。また、フレキシブル基板上の折り曲げ線をまたいで配線することができないため、パッチアンテナとフェーズドアレイICの接続をワイヤレス化を目指し、フェーズドアレイリレーICの設計、試作評価を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、球型無線機のプロトタイプを試作し、測定評価を行うことで、球型フェーズドアレイの構成方法および理論検討の妥当性を実証する。周波数としては、次世代の衛星通信の周波数帯として利用が期待されているKa帯の28GHzで設計を行う。球型フェーズドアレイ無線機のプロトタイプとして、正20面体の各面にアンテナ素子を搭載したフェーズドアレイ無線機を試作する。本実験で得られた結果と理論値を比較し、構成方法およびその理論検討の妥当性を実証することで、さらなる大規模球型フェーズドアレイ無線機実現の基礎を築く。
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Causes of Carryover |
コロナ禍および半導体不足の影響で無線機の部品の調達に遅れが出ているため、次年度使用額が生じた。適宜研究のスケジュールを柔軟に組み替えることで、順調に研究は進捗している。
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