2023 Fiscal Year Annual Research Report
フォトレジスト薄膜中における化学組成分布がパターン線幅粗さに与える影響の解明
Project/Area Number |
21K14212
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
山川 進二 兵庫県立大学, 高度産業科学技術研究所, 助教 (90876252)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | フォトレジスト / 軟X線共鳴散乱 / EUV干渉露光 / EUVフラッド露光 / 現像速度 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、レジスト中の化学組成の空間分布が線幅のバラツキ具合に与える影響を評価するために、レジスト合成、レジスト 薄膜中の化学組成分布評価、パタニング後のLWR評価を行う。最終年度となる2023年度は以下の3点について研究を進めた。 ・新規レジスト合成:レジスト全体の極性の差が小さくなるよう、高濃度の感光剤を側鎖に導入したレジストを新規に合成した。このレジストについてX線吸収スペクトルを測定し、EUV光照射前後の比較よりEUV照射時の反応挙動を解析した。 ・軟X線共鳴散乱および軟X線投影顕微鏡によるレジスト薄膜中の化学組成の空間分布評価:種々のレジストについて軟X線を用いて化学組成分布を評価した。特に軟X線共鳴散乱では、ベースポリマーの分子量や共重合組成比の異なるレジストを評価し、分子量よりも共重合組成比の方がより顕著に散乱強度に差を生じることがわかった。すなわちポリマーの凝集は物理構造よりも極性の影響が大きいことが示唆された。レジスト薄膜の均一化には、レジスト全体の極性差が小さくなるように分子設計する必要があると考える。 ・現像挙動評価:散乱測定で用いたレジストについて干渉露光によるL/SパタンのLWR評価を実施した。その結果、同じレジストであっても現像液によりパタン解像性が異なることがわかった。またフラッド露光による感度評価から、分子量分布や化学組成の違いが現像挙動に強く影響することもわかった。すなわちレジスト薄膜の均一性が現像挙動に関係することが強く示唆された。 研究期間全体を通じて、レジストの組成均一性は極性に強く影響することがわかった。このことは均一なレジスト膜を作成するには極性の差を小さくする必要があり、レジストの分子設計指針を示すものである。また現像挙動評価から、レジスト薄膜の均一性とLWRとの関係の間には、現像挙動の要素が介在することを明らかとした。
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