2021 Fiscal Year Research-status Report
非GNSS環境下における点検結果の効率的なBIM/CIMモデル反映に関する研究
Project/Area Number |
21K14223
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
川野 浩平 九州大学, 工学研究院, 特任助教 (30622948)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | BIM/CIM / SLAM / 維持管理 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和3年度は、当初の研究計画に則り、既存のV-SLAM技術および三次元モデルのマッチング技術を調査(実施項目A)した。さらに、研究目的に対して当初の研究計画で不足していた項目として、実際の点検項目を調査するとともに、点検結果と三次元モデルを効率的に紐づけて管理する方法について検討(実施項目B)した。 実施項目Aでは、V-SLAMに限定しない橋梁の三次元モデル化技術12件を調査した。当初は、点検作業者に大型のレーザ測量機器の携帯が現実的でないという理由からウェアラブルカメラによる撮影を想定してV-SLAMに限定していたが、LiDAR搭載型のスマートフォン端末の利用を視野に入れて、これを用いたSLAM技術も調査対象とした。調査の結果、LiDARと適応モンテカルロ位置推定(Adaptive Monte Carlo Localization:AMCL)を組み合わせた自己位置推定法など、点検位置と三次元モデルのマッチングに有用と思われる技術を明らかにすることが出来た。 実施項目Bでは、本研究で対象とする構造物のひとつである橋梁を対象として、国土交通省が提供する点検要領だけでなく、実際に維持管理を担当する企業の協力を得て、実際に現場で記録している点検簿および点検結果の管理システムを調査した。この調査結果を踏まえて、点検記録管理に適した橋梁の3次元モデルを検討した。これにより、次年度以降で点検結果をマッチングする維持管理プラットフォームを構築することが出来た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画における令和3年度の実施項目に加えて、翌年度以降の研究活動に資する維持管理プラットフォームを構築することが出来た。そのため、進捗状況は、おおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度は、当初計画から若干の修正を加えてV-SLAM技術に限定せず、リアルタイムな自己位置推定技術の開発を予定している。具体的には、点検作業者が携帯可能なウェアラブル機器に搭載されたセンサーとタブレット端末などの携帯可能な計算機器の組み合わせでの動作を想定した自己位置推定技術の開発に着手し、非GNSS環境下での実験を踏まえてその適用条件を整理する。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由として、当初購入予定であった解析用ワークステーション等の購入を見合わせたことが主な物として挙げられる。これは、初年度は研究を進める上で必要最低限の物品のみ購入し、開発が本格化する次年度以降に時宜を得た開発環境を整えた方が効率的な予算執行と研究の推進が可能と判断したためである。次年度使用額を含めた次年度助成金は、主に開発環境の充足と実験環境への交通費に充当する予定である。
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