2023 Fiscal Year Research-status Report
実験および個別要素法に基づく鉄筋挿入工法の影響範囲に関する研究
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21K14242
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
梶山 慎太郎 山梨大学, 大学院総合研究部, 助教 (50803532)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 鉄筋挿入工法 / 画像解析 / 模型実験 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,鉄筋挿入工法を密度の異なる既存盛土に適用した際の鉄筋の影響範囲を実験と解析から明らかにするために,載荷実験を行った.結果を以下にまとめる. 補強材の長さにかかわらず,密度の大きい相対密度80%の模型盛土の方が相対密度70%の模型盛土より補強効果が大きくなった.これにより,盛土地盤の密度が大きい方が地盤自体の補強効果が高くなることがわかった.これは,補強材と盛土地盤の周面摩擦抵抗の増加によるものと考えられる.補強材挿入角度水平下向き90°より補強材挿入角度水平下向き60°の方が,破壊時応力が大きくなることが分かった. 補強材長さを長くすると線形的に破壊時応力も大きくなるという相関がみられた.ただ,補強材長さが長くなるほど削孔長が長くなるため,削孔による強度低下もみられた. 相対密度80%の方が相対密度70%より補強材長さと破壊時応力の関係の近似線の傾きが大きく,補強材を長くしたときの補強効果が大きくなる傾向がみられた. PIV解析により求めたすべり面における載荷板直下の深さにから内部摩擦角を求め,支持力理論におけるすべり面を求めることができた.PIV解析により求めたすべり面と支持力理論におけるすべり面を比較すると,支持力理論通りに破壊しているものはなく,途中まで支持力理論におけるすべり面上で破壊し,層間に差し掛かったところで層間に沿って破壊した.これは,層間が弱面となったためと考えられる.PIV解析と支持力理論より求めた内部摩擦角と相対密度の関係から相対密度80%の方が相対密度70%より大きくなる傾向がみられた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
想定していた実験部分は概ね完了し,さらに詳細な条件での実験を遂行中であるため.
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Strategy for Future Research Activity |
実験的検討では,概ね補強効果の傾向が得られたため,異なる種類の砂を使用して実験を行い傾向を確認する. また,想定よりも早いペースで実験が進んでいるため,実際の既存盛土を想定し,地下水の変化を考慮した実験を行える様に装置を改良し,補強材の効果を検証する.さらに,実際の補強方法を踏まえ,支圧板による補強の効果を検討する. これらの結果を踏まえ,個別要素法の結果とフィードバックしあい,補強材が盛土に与える影響をとりまとめる.
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Causes of Carryover |
消耗品の消費が想定よりも少なかったため.本年度は想定よりも早いペースで実験が行えたため,生じた差額分は新たな実験条件を設定し,この実験を行うための治具等を購入する.
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