2023 Fiscal Year Annual Research Report
備蓄-緊急適応-撤去を考慮した災害道路復旧用ステレオバイオ地盤補強材の開発
Project/Area Number |
21K14247
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Research Institution | 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群) |
Principal Investigator |
宮本 慎太郎 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群), システム工学群, 准教授 (60782711)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 道路復旧 / 地盤補強技術 / 展開構造 / バイオ素材 / 性能評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,被災道路の早期復旧のために,災害時に備えた「備蓄」,災害後の「運搬/施工」,種々の被災状況への「適応」,本復旧を見通した「撤去」を考慮した新たな災害道路復旧用地盤補強材(「ステレオバイオ地盤補強材」と称する)を開発する.2023年度の研究計画では,a) 展開式セル補強材の盛土のり面への適用性検証,b) 補強材の耐久性試験,c) 補強方法を決定するための解析技術の構築に関する内容を進めることになっていた.以下,成果の概要を説明する. a) 展開式セル補強材の盛土のり面への適用性検証では,浸透模型実験によって復旧技術の適用性を検証した.まず浸透作用による無対策盛土の変状や変状後の形状を確認した.変状後の地表面形状を元に,できる限り土砂を撤去せずに盛土を復旧する復旧技術を提案した.本実験では,セル補強材でのり面とのり尻を復旧したケースを基準として,のり面の補強材に抑止杭を併用したケース,のり尻部の補強材上部に排水パイプを併用したケースを検討した.結果より,大きな浸透作用に対しては,セル補強材による補強に加えて排水パイプなどの排水施設を併用することで復旧盛土の安定性を十分に確保できることを示した. b) 補強材の耐久性試験では,復旧時の損傷やクリープ荷重による影響に着目した補強材の土中促進クリープ試験を行った.結果より,土中での損傷・クリープの影響を考慮した補強材の設計強度の評価を行った. c) 補強方法を決定するための解析技術の構築では,模型実験結果を元に,車両重量や走行回数に応じて地盤変形量を予測する物理モデルを提案した.提案モデルは,復旧前の盛土の地盤反力係数,想定する車両の重量と車輪の直径から,セル補強材の補強効果を考慮して走行回数に応じた地盤変形量を予測できるモデルである.実験結果と解析結果を比較することで,提案モデルの妥当性を検証した.
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Research Products
(8 results)