2021 Fiscal Year Research-status Report
Development of road network vulnerability analysis focusing on required functions immediately after a disaster
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21K14258
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
杉浦 聡志 北海道大学, 工学研究院, 准教授 (30648051)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 道路網脆弱性分析 / 孤立脆弱性 / Gomory-Hu木 / 孤立脆弱性 / 最小カット |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は災害発生直後の道路網に求められる接続性に着目し,道路網のわずかな損傷により簡単に接続性を失うような脆弱な箇所を特定する手法を構築するものである.具体的には大規模災害による孤立の生起しやすさ,および広域避難時における道路網がもつ局所的な容量と通過需要の関係を表現した2つの脆弱性指標を定義し,その導出法を構築する. 本年度は孤立と避難のための脆弱性を示す指標を2つそれぞれ検討する.1つは被災地における孤立のしやすさを表現する指標(以下,孤立脆弱性という),もう1つは,火山や原子力発電所の事故などに伴う広域的な避難に対する道路の容量と通過需要の関係を表現する指標(局所容量脆弱性)とする. 孤立脆弱性は被災地を孤立させるために,除去しなければならない道路区間数の最小値」の値で定義し,この値を最小カットに基づいて導出する手法を構築した. 一方で,広域避難の検討には道路区間の数では評価できず,通過する避難需要に対して,被災地周辺の道路網が十分な容量を提供できるかが問題となる.そこで,広域避難需要と周辺道路網の供給容量に関する指標,局所容量脆弱性を評価する手法を構築する.基本的にはこのモデルも最小カットの理論で用いられる手法を応用した導出方法を構築した.具体的にはネットワーク内の最小カットの構造を表現するGomory-Hu木の特性を利用し,容量が小さなカットとそのカットを通過する避難需要を特定した. 以上は接続性に関する分析に取り組んだものである.これらに加えて,劣化するネットワークにおける所要時間の増大に着目した分析にも取り組んだ.道路網を構成する複数のリンクが破損したとき,所要時間が増大する組み合わせを効率的に特定する方法の開発を試みた.現在までに基本的な構想,モデル化までは実施し,簡単なネットワークでの挙動確認を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
孤立,避難に関する脆弱性分析の課題は研究計画通りに進捗していることに加えて,これらのアイデアを応用して,所要時間を著しく増大させるリンク組み合わせの特定方法も検討を進められている.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は構築したモデルを北海道の道路ネットワークを対象に適用し,北海道における重要拠点が災害時に孤立,あるいは避難に困難を生じないか分析する.
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Causes of Carryover |
参加を予定していた国際学会へ参加できなかったため.次年度に開催される国際学会への参加が可能となることを期待している.
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