2021 Fiscal Year Research-status Report
An Interval Maintenance Support Algorithm for Arrival Air Traffic Flow by Integrating Deep Reinforcement Learning and Control
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21K14271
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Research Institution | National Institute of Maritime, Port and Aviation Technology |
Principal Investigator |
虎谷 大地 国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所, 電子航法研究所, 主任研究員 (10780976)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 航空交通管理 / 航空管制官支援 / 軌道予測 / ガウス過程回帰 / 深層強化学習 / 最適制御 / 到着管理 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は研究計画の「(i) 環境の構築」にあたる,航空機の到着交通流のシミュレーション環境構築を実施した.その過程で,従来よく使われてきた航空機モデルの一部である速度モデルが,実際の航空機の速度と乖離しているという問題がでてきたので,環境構築の一環として速度モデルの高精度化に取り組んだ.具体的には,東京国際空港へ到着する便の速度データをレーダーから収集し,収集したデータにガウス過程回帰 (Gaussian Process Regression: GPR) と呼ばれる機械学習の一種を応用することで,実データを基にした速度モデルを作成した.到着する航空機の速度は,非線形で,かつどのようなモデルをしているかが明確ではないため,従来の回帰手法を用いてモデルを作成することは困難であった.しかし,GPRは非線形な対象でも適用できて,かつノンパラメトリックと呼ばれる柔軟なモデルであるため,従来の手法では回帰が困難であった対象にも広く用いることが可能である.テストデータを用いた検証により,GPRで作成したモデルは従来のモデルより,実際の速度データによくフィットしていることが示された.またGPRで作成した速度モデルを従来モデルと置き換えることで,到着便の軌道予測シミュレーションの精度が向上することが示された. 本成果は,この後に実施する到着間隔維持支援アルゴリズムにも用いられる予定である.到着間隔維持支援アルゴリズムの内部では,到着便の軌道予測を行い,その予測結果に基づいて管制官への支援情報を計算するので,軌道予測精度の向上は支援アルゴリズムの性能に大きな影響を与えると予想される.また本成果は,機械学習の一種であるGPRを用いており,本研究の目的である航空管制への機械学習の応用,特に,機械学習と制御技術を融合した応用に貢献する成果であると考えられる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
初年度は研究計画の「(i) 環境の構築」に記載されている,航空機の到着交通流のシミュレーション環境の構築を実施し,概ね順調に進めることができた.また【研究実績の概要】で述べたように,当初の研究計画を実施する上ででてきた,航空機の速度モデルが実際の飛行と乖離しているという問題に対して,GPRを用いた航空機の速度モデルの高精度化を実施し,よい成果が得られた.これは当初の研究計画からの付加的な成果であるため,現在までの進捗状況を「(1) 当初の計画以上に進展している」とした.
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Strategy for Future Research Activity |
【現在までの進捗状況】で述べたように,本研究計画は現状,順調に進捗しており,一部付加的な成果も得られている.そのため,引き続き当初の研究計画に従って進めていくことで,十分な成果が得られると期待される.
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Causes of Carryover |
COVID-19の影響により学会等がオンラインになったため,旅費の積算分に残額が発生した.出張が減った分,論文執筆等に注力することを計画しているため,残額は論文執筆等に係る文献購入費や掲載費に使用することを計画している.
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