2023 Fiscal Year Annual Research Report
低速モビリティ活用地域検討のための細街路交通量推計手法の開発
Project/Area Number |
21K14272
|
Research Institution | National Traffic Safety and Environment Laboratory |
Principal Investigator |
小林 貴 独立行政法人自動車技術総合機構交通安全環境研究所, その他部局等, 主任研究員 (20782957)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 交通量未観測路線 / 交通量変動 / 路線間の類似性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は端末交通手段の一つとして着目されている低速モビリティを導入する際に速度差が既存交通に与える影響を評価するために、道路交通センサス等既存の交通量調査で交通量が把握されていない路線の交通量推計手法を開発することを目的とする。 令和3年度は、幹線道路の交通量変動において、定常(月、曜日や時間帯等)・非定常(天候や年等)な要因で説明できる割合、定常・非定常な交通量変動の特性を明らかにすることを目的として、都内22地点の幹線道路における7年間の交通量データの分析を行った。分析の結果、月変動は都心までの距離、週変動は月番号、曜日変動は昼夜人口比率、時間変動は都心方向角が重要な説明変数であり、これらカレンダー変数に道路形状の変数を組み合わせることで交通量変動の7~9割説明できることを示した。 令和4年度は、交通量が未観測の細街路の交通量を、幹線道路の交通量から推計する手法を開発するために、細街路と幹線道路の交通量変動の類似性に関する分析を行った。全国約9千断面の細街路と付近の幹線道路のペアにおける交通量変動を分析した結果、次の3点を明らかにした。第1にペアの交通量変動には高い相関(平均0.7)がみられた。 第2に地域全域の交通量変動の類似性から生じる見かけ上の相関(幹線道路間及び細街路間の相関)と比べ、ペアの相関は有意に高かった。第3に幹線道路が付近にあるペアは5km以上離れているペアと比べて相関が高く、平行関係にあるペアのほうが交差関係にあるペアより相関が高い傾向が見られた。 令和5年度は、令和3年に得た交通量の周期性と、令和4年に得た空間的類似性を統合し、任意の地点の任意の時点の交通量を予測する手法を検討した。 これにより、多様なモビリティの導入計画のための基盤データを作成でき、さらに、今後普及する自動運転車のリアルタイムの自動経路選択に必要な交通量予測への応用に寄与できる。
|