2022 Fiscal Year Research-status Report
Granule formation of sulfate-reducing bacteria utilizing quorum-sensing and its application to wastewater treatment
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21K14277
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
橋口 亜由未 島根大学, 学術研究院環境システム科学系, 助教 (00805195)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 硫酸還元菌 / 有機性排水処理 / クオラムセンシング / オートインデューサー / アシル化ホモセリンラクトン / EPS / 嫌気性排水処理 |
Outline of Annual Research Achievements |
嫌気性ファーメンターで約1年間予備馴致した硫酸還元菌をにAHLsを添加後,化学的酸素要求量(COD),MLSS,MLVSS,グラニュール粒径の測定,硫酸イオン濃度,硫化物イオン濃度,EPSを抽出液中の全糖類とタンパク質の定量を行い,AI添加による影響を評価した。 その結果,全条件で硫酸還元反応が確認され,AHLs添加なしと比較してAHLs添加条件の方で有意差が見られた。AI-3,4,6添加系ではCOD除去率が最大で65 %以上と高い値を示した。AI-2と5の添加系では,粒径が0.15mm以上増大した。全糖濃度はAI-2と5で8~14 mg/L程度増加したが,AI-1,3,4,6では最大で3 mg/L程度しか増加しなかった。総タンパク質濃度は,AI-1,2,5添加系では初期濃度よりも減少する傾向であったが,AI-3,4,6では23~30 mg/L程度増加した。COD除去率が低いAI-2,5では,全糖濃度が増加し,グラニュール径が増大した。COD除去率が高いAI-3,4,6では総タンパク質濃度が増加傾向にあり,グラニュール径が増大しにくかった。AI-2,5では,菌体外に分泌された多糖類が多く,結果として全体としてのCOD除去率が低くなり,この多糖類がグラニュール形成に寄与したと考えられる。一方で,COD除去率が高いAI-3,4,6添加系ではタンパク質が増加した原因として,ヒドロゲナーゼのような酵素の産生促進が考えられる。反応の触媒となる酵素によるCOD分解が促進され,グラニュール形成に必要な糖類の分解が起きたことでグラニュール径が増大しにくくなったと考えられる。COD除去率が向上するAHLs(AI-3,4,6)とグラニュール径が増大するAHLs(AI-2,5)では,増加するEPS成分が異なることが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2022年度には回分式添加実験におけるグラニュール形成条件の検討を実施項目としている。グラニュール形成および高COD除去率が得られるアシル化ホモセリンラクトン類(6種)の最適添加条件が決定でき,複合添加についても検討を行った。また,細胞外高分子(EPS)の評価と菌叢解析についても着手できた。
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Strategy for Future Research Activity |
AI添加前後の菌叢解析の結果を参考に,Ai添加によりどの微生物が活性化されているのかを把握するさらに,グラニュール中の菌叢の分布も確認する。
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Causes of Carryover |
予定していたDNA解析うち,一部のサンプルの解析を次年度に行う予定に変更したため。
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