2022 Fiscal Year Research-status Report
Study on the mechanism of adsorption of fine particles by a charged window frame to prevent pollen from flowing into the room when ventilated
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21K14290
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
伊藤 洋介 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (00757338)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 花粉 / 帯電 / 吸着 / 建築材料 / 開口部 / 網戸 / 金網 |
Outline of Annual Research Achievements |
2枚の金網を用いてそれぞれ異なる極に帯電させ、これにより花粉を金網に吸着して花粉を遮蔽する網戸の研究を継続して実施した。 無風状態で重力沈降する疑似花粉(以下、花粉とする)を異なる極に帯電する2枚の金網で吸着する条件において、2枚の金網間の距離が花粉遮蔽性能に及ぼす影響を明らかにした。消費電力までを考慮した場合、金網間の距離は5.0mmが有効であると分かった。この場合、出力電圧の絶対値2.0kV、電流0.5mAにおいて、重力沈降する花粉に対して97%以上の遮蔽効果を発揮した。 帯電した金網に花粉を吸着させたまま維持しても、少なくとも10分の間は花粉が自ら再飛散しないことを明らかにした。この条件下では、帯電する金網に付着した花粉が帯電する金網によって金網と同極性に帯電することは無いためと考える。 風速2m/sの環境下で風に乗って運ばれる花粉を異なる極に帯電する2枚の金網で吸着する条件において、2枚の金網間の距離と出力電圧の絶対値が花粉遮蔽性能に及ぼす影響を明らかにした。使用する金網の枚数が1枚か2枚かに関わらず、出力電圧の絶対値を高くしても、花粉吸着性能が向上するとは限らないことが明らかになった。金網2枚を用いる場合、出力電圧の絶対値2.0kVは出力電圧の絶対値1.0kVや3.0kVに比べて花粉の遮蔽効果が高くなることが明らかになった。18メッシュ、線径0.6mmの金網は出力電圧の絶対値2.0kV、電流0.5mA、金網間の距離7.5mmで、風に乗って運ばれる花粉に対して81.8%の遮蔽効果を発揮した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2枚の金網を用いてそれぞれ異なる極に帯電させた網戸を花粉の遮蔽に用いる場合、重力沈降する花粉に対しては、金網の形状、金網の距離、出力電圧が花粉遮蔽性能に及ぼす影響を明らかにできた。ただし、風に乗って運ばれる花粉に対しては、想定と異なる結果が現れており、そのメカニズムの解明には時間を要すると考えるため。
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Strategy for Future Research Activity |
風に乗って運ばれる花粉の遮蔽効果が出力電圧と必ずしも相関関係に無いことについて、そのメカニズムを検討する。また、時間経過とともに帯電の正負を入れ替えることで、単一の金網でも十分な花粉遮蔽性能を得られるかについて検討する。
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Causes of Carryover |
花粉の数量を計数するための装置の購入および金網の帯電を時間経過と共に切り替える装置の購入費用として使用する予定です。
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