2022 Fiscal Year Research-status Report
応力伝達機構の確信に基づくCES埋込み柱脚の構造性能評価法の革新
Project/Area Number |
21K14293
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Research Institution | Kochi University of Technology |
Principal Investigator |
鈴木 卓 高知工科大学, システム工学群, 准教授 (20738710)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 合成構造 / 静的載荷実験 / 応力分布 / 柱脚曲げ耐力 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,CES造埋込み柱脚における柱脚曲げ耐力評価法の革新を目的として,柱鉄骨の埋込み深さ比およびベースプレートの有無を変数とした柱脚試験体の静的載荷実験を実施した。 試験体は実大の約1/3のスケールのもの4体である。実験変数には,柱鉄骨の埋込み深さを鉄骨せいで除した値(以下,埋込み深さ比)およびベースプレート(以下,BPと略記する)の有無を選択した。いずれの試験体も一般化累加強度理論による柱曲げ耐力計算値が柱脚曲げ耐力計算値より低くなるように設計された。実験は鉛直オイルジャッキによって軸力を作用させつつ,載荷フレームに取り付けた2台の水平オイルジャッキにより水平力を載荷した。 実験の結果より得られた知見を以下に示す。 (1)埋込み深さ比1.5以上の試験体では,柱下部の損傷が顕著であり,柱曲げ降伏先行型の破壊モードを示す傾向が認められた。埋込み深さ比1.0の試験体ではスタブの損傷が顕著であり,柱脚曲げ降伏先行型の破壊モードを示す傾向が確認された。(2)ベースプレートのある試験体では,埋込み深さが浅いほど引張側ベースプレート付近のフランジの応力の増加がみられた。(3)各試験体ともに柱下部から埋込み部にかけてウェブせん断応力の符号の反転が認められた。(4)柱脚曲げ耐力評価のための埋込み部の鉄骨およびコンクリート間の支圧応力と付着応力に基づく抵抗機構を提案した。(5)CES埋込み柱脚の最大耐力および破壊モードは一般化累加強度理論による柱曲げ耐力と提案する柱脚曲げ耐力により評価可能である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2022年度は構造実験により柱脚破壊型CES埋込み柱脚の実験データの取得と実験から得られた鉄骨の応力分布に基づく耐力評価法の構築まで行なわれた。当該研究成果はコンクリート工学年次論文集(査読付き)に掲載が決定している。これにより当初の研究計画に追いついていることから,現在までの進捗は順調だと判断される。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度は当初予定に従い三次元FEM解析による埋込み部の応力状態の把握とその結果に基づく耐力評価法の修正を行う。
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